タイトル | 神奈川県海域で漁獲されたカタボシイワシの出現状況(初記録を含む) |
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担当機関 | 神奈川県水産技術センター |
研究期間 | 2016~2020 |
研究担当者 |
舩木 修 |
発行年度 | 2018 |
要約 | マイワシ仔魚と外見が酷似するカタボシイワシについて現況を調査した結果、卵を除く仔魚、幼魚および成魚の漁獲を確認した。仔魚および幼魚については、本県からの初めての記録である。今後は、成長に伴う各鰭の位置などを比較検討することによって、マイワシとの違いをより具体的に示すことで、マイワシの的確な資源評価に寄与することが期待される。 |
背景・ねらい | カタボシイワシSardinella lemuru Bleeker,1853は、奄美大島などの南日本や東南アジア周辺海域等において主に沿岸で群れをなすとされるが、最近は本州太平洋側各地や山口県の日本海側でも見られるようになり、その分布域は北に拡大傾向にあると思われる。 本県でも暖海性魚類のアイゴSiganus fuscescensが定置網で多く漁獲されるようになるなど、本県海域において今後、様々な暖海性魚種の漁獲が増加していくことも考えられる。 そこで、本研究では現時点における本県沿岸域でのカタボシイワシの漁獲量集計および漁獲魚の測定・分析を行い、過去の出現記録等を整理したところ、初記録も含め若干の知見が得られた。 |
成果の内容・特徴 | 1 本種の漁獲量に関しては全国的に纏まったものがなく、本県での漁獲データも一部市場での4~6年分しかないことから、直ちに来遊動向に言及はできないが、ここ 10年で日本各地における採集記録が多数報告されていることから、本種の日本沿岸域への来遊量は増加傾向にあると判断された。 2 本県では、平成19年に成魚、平成22年に未成魚の採集報告があるが、本研究では本県からの初記録となる幼魚(図1)および仔魚(図2)を採集することができた。 3 マイワシ仔魚がスマート型に対し(図3)、カタボシイワシ仔魚は体高が高い特徴があった。 4 成魚の成熟度合および幼魚の耳石輪紋解析結果から、産卵期の一部に8月ないし9月が含まれると示唆され、マイワシのそれとはズレがあった。 |
成果の活用面・留意点 | 1 マイワシ仔魚同定の際、カタボシイワシ仔魚も考慮した方法が可能となり、全国の研究者に有益となる。 2 今後、成長に伴う各鰭の位置などを比較検討し、マイワシ仔魚との違いをより具体的に示すことで、仔魚の誤同定回避に寄与することが期待される。 3 マイワシ仔魚との違いを明らかにできれば、マイワシの的確な資源評価に寄与することが期待される。 |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8063&YEAR=2018 |
カテゴリ | なす |