タイトル | 神奈川県沿岸域の一本釣り漁業におけるマサバの漁況予測手法 |
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担当機関 | 神奈川県水産技術センター |
研究期間 | 2016~2020 |
研究担当者 |
武内啓明 |
発行年度 | 2018 |
要約 | 本県沿岸域の一本釣り漁業におけるマサバの漁況予測手法の確立に向けて、マサバの来遊量に影響をおよぼすと思われる海況因子を用いた重回帰分析を行った。東京湾・相模湾周辺の塩分と水温が一本釣り漁船のマサバCPUEと有意な相関を持つこと、これら2つの海況因子を用いることでCPUEの予測値が得られることが明らかとなり、これまで困難であった本県沿岸域におけるマサバの漁況予測の足掛かりとなった。 |
背景・ねらい | 本県を代表するブランド魚である「松輪サバ」の漁獲量は、春から初夏にかけて沖合から来遊するマサバの魚群の多寡によって大きく変動することから、操業の効率化を図る上で来遊量を事前に予測する手法の開発が求められていた。本研究では、本県沿岸域の一本釣り漁業におけるマサバの漁況予測手法の確立に向けて、マサバの来遊量に影響をおよぼすと思われる海況因子を用いた重回帰分析を行った。 |
成果の内容・特徴 | 1 東京湾の水温(図1中の測点123)・相模湾周辺の塩分(図1中の測点22)が松輪地区の一本釣り漁船のマサバCPUE(kg/日・隻)と有意な相関を持つこと、さらにこれら2つの海況因子を用いることでCPUEの予測値が得られることを明らかにした(表1、図2)。 2 このことは、マサバが相模湾周辺の低塩分の水塊および東京湾の適水温帯を選択的に利用し、本県沿岸域に来遊または滞留する可能性を示唆する。 3 重回帰式より得られるCPUEの予測精度は決して高いとは言えないが、これまで困難であった本県沿岸域におけるマサバの漁況予測の足掛かりとなった点で意義は大きい。 |
成果の活用面・留意点 | 1 本研究の成果を活用して、平成29年度より「沿岸さば漁況予報」を作成し、水産技術センターのウェブサイトで公開するとともに、みうら漁協南下浦支所所属のサバ釣り漁業者に対しては、漁況予報の内容等について直接説明を行っている。 2 今後は、黒潮に関連する海況因子の影響について再検討を行うとともに、モデルの予測精度の向上に不可欠である新たな変数の探索や各海況因子がマサバの来遊量に影響をおよぼすメカニズムの解明にも取り組む必要がある。 |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8064&YEAR=2018 |
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