パルス変調蛍光法による基礎生産簡易測定技術の開発

タイトル パルス変調蛍光法による基礎生産簡易測定技術の開発
担当機関 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センター
研究期間 2016~2017
研究担当者 瀬戸内海東部(大阪
兵庫)水産試験研究機関赤潮研究担当者
山本圭吾
発行年度 2018
要約 パルス変調型光合成測定装置を活用し、現場海域での水柱基礎生産量を推定する技術を開発するとともに、従来法(明暗瓶法)による測定結果と比較検討した。また得られた基礎生産量について海域間で比較を行った。
背景・ねらい 近年,瀬戸内海を中心に海域によっては貧栄養化による水産資源への影響が指摘され、赤潮被害軽減とともに海域の生産力向上を図るための研究・開発が求められている。さらに、瀬戸内海における水質管理については季節的な変動を考慮した湾灘管理に発展させる方向が示された。そのため、今後想定される栄養塩管理の影響をより正確かつ簡易に評価するために、現場の基礎生産速度を簡易測定するための技術開発を行った。
成果の内容・特徴 パルス変調型蛍光光度計(Water-PAM)を用いて測定した光量子量と電子伝達速度の関係から推定した各光照射下の相対電子伝達速度等から電子伝達速度を計算し、炭素同化速度へ変換したものを現場水柱へ当てはめることで基礎生産速度を推定した。PAM法で得られた基礎生産速度を広島湾、播磨灘、大阪湾で比較したところ、広島湾(北部)で高く、播磨灘(中央部)と大阪湾(中央部)で低かった(図1)。簡易測定と明暗瓶法で得られた基礎生産速度では有意な正の傾きが得られた(図2)が、海域により対応状況は異なった。基礎生産速度を目的変数とする重回帰分析を行った結果、クロロフィルa濃度と日射量の寄与率が大きかった。また、水柱の基礎生産は表層クロロフィルa濃度で概ね推定可能であったが(図3)、その寄与率は海域によって異なり、クロロフィルa濃度の低い播磨灘で高く、クロロフィルa濃度が高い大阪湾や広島湾では低くなる傾向が確認された(図4)。
成果の活用面・留意点 今後、栄養塩の湾灘管理を目指すにあたって基礎資料とするため本研究成果を用いた生産速度のモニタリングを進めていく。また、生産速度がクロロフィルa濃度と日射量により一定水準で推測可能であったことから、過去に遡って生産速度の変化を求めることも可能である。ただし、クロロフィルa濃度が高い年代においては信頼度が低くなることには留意すべきである。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8112&YEAR=2018
カテゴリ 簡易測定 モニタリング

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