近年の海況条件に対応した赤潮予察技術の開発

タイトル 近年の海況条件に対応した赤潮予察技術の開発
担当機関 地方独立行政法人大阪府立環境農林水産総合研究所 水産技術センター
研究期間 2013~2017
研究担当者 瀬戸内海東部(大阪
兵庫
岡山
徳島
香川)水産試験研究機関赤潮研究担当者
秋山諭
発行年度 2018
要約 夏季のシャットネラ赤潮と冬季のユーカンピア赤潮を対象に、近年の海況条件に対応した赤潮発生予察技術を開発した。夏季赤潮について競合種密度や環境条件を用いた統計解析によって、冬季赤潮については統計解析と数値モデルを組み合わせ予察モデルを構築した。今後も海況条件の変化が想定されるため、引き続き赤潮監視を通じたデータ蓄積を継続し、適宜予察モデルの改善と高度化に努める必要がある。
背景・ねらい 瀬戸内海東部では、現在でも有害な赤潮が頻発し、魚貝類養殖やノリ養殖への大きな脅威となっている。赤潮による漁業被害を未然に防止し、その被害を軽減するためには、赤潮の監視・発生予察情報を参考にした適切な養殖管理が有効であるが、海洋環境の変化に伴って赤潮の発生様式等が過去とは異なってきている。そこで、(1)夏季の有害赤潮(シャットネラ赤潮)と、(2)冬季の珪藻赤潮(ユーカンピア赤潮)を対象として、近年の海況条件に対応した赤潮発生予察技術を開発した。
成果の内容・特徴 夏季のシャットネラ赤潮については、瀬戸内海東部海域の各府県地先における発生・非発生を競合種である珪藻類の出現状況、水温、降水量等を説明変数とした判別解析により毎年の発生状況を予察するモデルを構築した。また、統計学的な検証により、過去に開発された予察手法は近年には適合せず、また、本研究で開発した手法は過去の海洋環境下では適合しないことを示した。
  冬季のユーカンピア赤潮については、海洋環境データの解析や数値計算により、地場発生と海流依存発生の二種類が存在することを明らかにした。シャットネラ赤潮と同様に、栄養塩濃度や水温等を説明変数とした判別解析により、毎年の発生状況を予察するモデルを構築した。
成果の活用面・留意点 今後、各現場試験研究機関からの予察情報の提供により、漁業被害の未然防止と軽減を進めていく。
  瀬戸内海東部の海洋環境は、気候変動や外海域からの影響、また公的環境規制等を通じて大きく変化しており、今後も変化することが想定される。赤潮監視を通じたデータの蓄積を継続し、適宜予察モデルの改善と高度化に努める必要がある。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8113&YEAR=2018
カテゴリ 環境データ 予察技術

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