タイトル | 伊豆半島産ヒジキ原藻及び製品の鉄含有量 |
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担当機関 | 静岡県水産技術研究所 |
研究期間 | 2016~2016 |
研究担当者 |
二村和視 |
発行年度 | 2018 |
要約 | 静岡県伊豆半島の南岸及び西岸の原藻の鉄含有量や加工方法と製品の鉄含有量の関係について調べた。その結果、原藻の鉄含有量は、3.8~8.8mg/100gの範囲であり、蒸煮及びアルミ鍋で煮熟した製品の含有量は、9.2及び10.5mg/100gであった。一方、鉄釜等で加工した製品の含有量は、38.4~193.2mg/100gと高い値を示した。 |
背景・ねらい | ヒジキ製品には鉄が豊富に含まれていることが知られている。しかし、ステンレス釜で加工したヒジキの鉄含有量は、従来から行われてきた鉄釜で加工した場合に比べて低い値を示すことが報告されており、加工方法によって製品の鉄含有量が異なると考えられる。静岡県伊豆半島の南岸及び西岸では、各地域での原藻の採取、鉄釜等を用いた自家加工が行われており、こうした原藻の含有量や加工方法と製品の鉄含有量との関係について調べた。 |
成果の内容・特徴 | 【方法】 ヒジキ原藻は2017年4月に下田市白浜から沼津市獅子浜までの伊豆半島南岸及び西岸の各地で採取し、天日乾燥したものを用いた。また、自家加工した製品は2016年及び2017年に伊豆半島7地区から入手し、蒸煮した製品は南伊豆地区の原藻を加工したものを用いた。これらの原藻、製品約25gを電動ミルで粉砕・均一化し、一部を湿式灰化した後、フェナントロリン法または原子吸光光度法にて鉄含有量を測定した。自家加工の方法については、煮熟の際の容器及び時間、煮熟後の容器中での保持時間(以下、保持時間)などについて聞き取り調査を行った。 【結果】 1.自家加工方法について聞き取り調査を行った結果を表1に示した。 2.原藻の鉄含有量は、3.8~8.8mg/100gの範囲で、採取した地域による違いはなかった。 3.蒸煮及びアルミ鍋で煮熟した製品の含有量は、9.2及び10.5mg/100gであった。一方、鉄釜等で加工した製品の含有量は、38.4~193.2mg/100gと高い値を示した。(図1) 4.これらの含有量は鉄釜等に入っている時間(煮熟時間及び保持時間の合計)が長いほど、高い含有量を示した。(図2) |
成果の活用面・留意点 | 得られたデータは、伊豆半島産ヒジキのブランド化やPRの際の基礎資料として活用していく。 |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8194&YEAR=2018 |
カテゴリ | 加工 乾燥 |