タイトル | カツオ主分布域予測手法の改良 |
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担当機関 | (国研)水産研究・教育機構 国際水産資源研究所 |
研究期間 | 2017~2018 |
研究担当者 |
増島雅親 岡崎誠 小埜恒夫 森永健司 清藤秀理 青木良徳 瀬藤聡 清水勇吾 亀田卓彦 |
発行年度 | 2018 |
要約 | 水産庁から公表される「常磐・三陸沖カツオ長期来遊動向予測」のうちカツオ主分布域の予測について、これまでのカツオ分布動態と表層水温との関係性から導いた新たな分布域予測手法を開発した。 |
背景・ねらい | 毎年6月に公表される「常磐・三陸沖カツオ長期来遊動向予測」の中のカツオ主分布域の予測には、7-8月分と9-11月分の予測を示していた。前者は、水産研究・教育機構の海況予測モデルFRA-ROMSが予測した8月までの水温環境を基に、100m深水温10度を指標とした黒潮系暖水の張出しや暖水渦の構造を抽出し、分布域を手動により判断していた。後者は、前者の分布域を緯度1度北上させることにより経験的に予測を出していた。本研究では、より客観性の高い予測を行うために、過去のカツオ竿釣船の漁獲データからカツオ分布と表層水温の関係を吟味した。 |
成果の内容・特徴 | 本州東方の混合水域における7-8月および9-10月のカツオ竿釣船の漁獲データと同時期のFRA-ROMSによる水温データ(図1)を比較したところ、7-8月、9-10月は海面(0m)の水温がそれぞれ22-24度、19-21度の範囲において、カツオがより多く漁獲されていたことがわかった(図2)。さらに、水温勾配の方角に着目したところ、7-8月と9-10月のいずれも、深度20mでの水温が東-南の方角(時計回り)に向かって高くなる構造において、カツオがより多く漁獲されていたこともわかった(図3)。これらの関係を用いることで、より客観性の高い予測分布域を提示することが可能となる。 |
成果の活用面・留意点 | 6月の第1回かつおサブユニット推進検討会において、従来法による予測(7-11月分)とともに、新手法による予測結果(7-8月)を発表した。さらに、漁期中の8月には新手法による9-10月分の予測結果を関係都県に公表した(図4)。来年1月開催予定の第3回カツオSU推進検討会において、新手法への完全移行の可否を議論する予定としている。 |
研究内容 | http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=8199&YEAR=2018 |
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