家畜中毒疾病診断データベース

タイトル 家畜中毒疾病診断データベース
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究期間 2012~2017
研究担当者 山中典子
発行年度 2018
要約 過去約15年間に国内で発生した家畜の中毒疾病事例を収集し、家畜種、原因、症状、検査内容などで検索できるデータベースである。本データベースは全国の家畜保健衛生所の病性鑑定担当者の診断支援に活用できる。
キーワード 家畜の中毒性疾病、データベース、病性鑑定、診断支援、畜産物の安全性
背景・ねらい 国内で散発している家畜の中毒症例については、被害の拡大を防ぎ、ズーノーシスを含めた感染症と鑑別し、畜産物への原因物質の残留を防いで食品の安全性を確保するために、的確な診断が必要である。しかし、留意すべき家畜中毒の原因は数多く、機器分析等の診断手法は多様であるため、採材、診断手法の決定には困難を伴う。そこで、過去に国内で発生した家畜中毒症例のうち、学術雑誌や公的な発表会等で発表された事例を収集し、診断に必要な疫学的背景(畜種、月齢、発生時期、給与飼料その他飼養状況)や症状、行われた検査と治療または対策、予後などについてデータベース化する。このデータベースの検索により得られる情報を活用して、家畜中毒を疑う症例について的確な診断手法を選択し、迅速な診断、対策により被害の拡大を防ぐことを目指す。
成果の内容・特徴
  1. 過去15年間に国内で発表された家畜中毒事例を、学術雑誌、科学雑誌、家畜衛生業績発表会要旨、病性鑑定特殊講習会資料等から収集している。
  2. 平成30年11月時点でデータ数は247件、事例数にして194件であり、さらに収集を続けている。同一事例(症例)について、異なる発表形態で複数の発表があるときは、重複収集し、事例No.と発表No.を付して同一事例であることを明記している。
  3. 本データベースはMicrosoft OfficeのデータベースアプリケーションであるAccessのファイルとして作成されており、Accessを保有していない場合はMicrosoft社のサイトから無料でダウンロードできるAccess runtimeで検索することができる。
  4. ファイルを開くと上部に検索フォーム、下部には個別データが表示され、検索フォームでは畜種、原因物質、症状、検査などのデータ項目による検索のほか、フリーワード検索も可能である(図1)。選択したデータは「単票」の形で一覧でき(図2)、他の症例との詳細な比較検討を行うことができる。
  5. 各データの診断結果については、確定診断されたものが主体であるが、対象となる中毒を強く疑うものの、検査項目に不足があるもの、否定されたもの、診断手法の誤りが明らかなものなどについても、診断手法選択上、参考となる事例については収載している。その場合は、備考欄に必要な採材や検査などの情報を追加している。
成果の活用面・留意点
  1. 普及対象:都道府県家畜保健衛生所の病性鑑定担当者、その他公的機関の家畜中毒診断実施者
  2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:国内全都道府県。その他大学獣医学部・学科の毒性学研究室など。
  3. 平成28年4月から一部都道府県に、平成29年4月から普及対象全般に現時点ではCDとして配布を開始しており、平成30年12月時点では、13の都道府県および2つの大学研究室に配布実績がある。農研機構動物衛生研究部門ウェブサイトhttp://www.naro.affrc.go.jp/org/niah/disease_poisoning/addb.htmlに申し込み方法を所載し、公的機関からの要請に限って配布している。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/niah/2018/18_052.html
カテゴリ 飼育技術 診断技術 データベース

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