タイトル |
メロンつる割病の発病を軽減する育苗期処理方法 |
担当機関 |
(国研)農業・食品産業技術総合研究機構 東北農業研究センター |
研究期間 |
2012~2018 |
研究担当者 |
今﨑伊織
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発行年度 |
2018 |
要約 |
メロンの育苗期に、発病軽減能をもつ非病原性Fusarium oxysporum SL0037株、抵抗性誘導物質プロベナゾール、土壌pHを上昇させる転炉スラグを組み合わせて培養土に処理すると、メロンつる割病菌で汚染した圃場に定植した後の発病を軽減できる。
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キーワード |
メロンつる割病、防除、非病原性F. oxysporum、プロベナゾール、転炉スラグ
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背景・ねらい |
メロンつる割病の主な防除手段は、くん蒸剤による土壌消毒である。しかし、くん蒸剤は、環境への負荷が大きいこと、また、処理後に土壌表面をポリエチレンフィルムで被覆する手間がかかることなどの問題がある。一方、抵抗性品種を利用すれば簡便に発病を回避できるものの、品種が持つ抵抗性を打破する病原菌系統も存在している。そこで、育苗期の処理によって圃場定植後の本病の発生を軽減する技術を開発し、抵抗性品種との併用による安定した防除効果の発現、ひいては土壌消毒の実施頻度を削減する新防除体系を作り、他の土壌伝染病に適用拡大するための基礎とする。
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成果の内容・特徴 |
- メロン育苗期における処理方法は、(1)F. oxysporum SL0037株を播種後の培養土に接種すること、(2)転炉スラグを混和した培養土を2次育苗に使用すること、(3)2次育苗の開始時にF. oxysporum SL0037株を再度接種すること、(4)定植前3日前後にプロベナゾールを培養土に処理することである(図1)。
- 本処理を実施した苗を病原菌汚染圃場に定植すると、メロンつる割病の発病程度が軽減され、定植後の約50日間は供試した全16株が枯死することなく生存する(図2)。一方、無処理の株では、16株中13株(2012年)~2株(2013年)が生存する(図2)。
- 本処理を実施した苗を病原菌汚染圃場に定植すると、無処理と比較して平均主茎長が2.4倍(2012年)~2.0倍(2013年)長くなる(図3)。
- 本処理を実施した苗を病原菌非汚染土を入れたポットに移植し栽培すると生長が促進される(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
- 非病原性F. oxysporum SL0037株とプロベナゾールは、メロンつる割病に対して農薬登録されていないため、一般圃場では使用できない。
- 本方法では、転炉スラグによるpH矯正との複合的な効果から、発病軽減能を持つ微生物と抵抗性誘導剤の効果向上を図ることができる。
- 転炉スラグは、培養土のpHが7.5程度となるように混和する(農研機構 (2015)「転炉スラグによる土壌pH矯正を核とした土壌伝染性フザリウム病の被害軽減技術 -研究成果集-」)。
- 農薬や農業資材等の製造会社は、本情報に基づいて新しい商品や技術を開発できる。
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研究内容 |
http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/tarc/2018/tarc18_s05.html
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カテゴリ |
病害虫
育苗
栽培技術
抵抗性
抵抗性品種
土壌消毒
農薬
播種
品種
防除
メロン
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