歩数計によって鈍性発情の検知ならびに授精適期の推定が可能である

タイトル 歩数計によって鈍性発情の検知ならびに授精適期の推定が可能である
担当機関 (国研)農業・食品産業技術総合研究機構 九州沖縄農業研究センター
研究期間 2015~2017
研究担当者 法上拓生
阪谷美樹
竹之内直樹
発行年度 2018
要約 黒毛和種において歩数計により明瞭なスタンディング発情だけでなく、不明瞭な鈍性発情の検知が可能である。さらに、検知した発情の開始時間より推定される授精適期での人工授精により、鈍性発情を示した牛においても妊娠させることができる。
キーワード 発情検知、歩数計、スタンディング発情、鈍性発情、授精適期、受胎
背景・ねらい 黒毛和種の繁殖現場において、飼養頭数の多頭化などを原因とした発情の見逃しは、交配頭数低下の原因となることから対応が急務である。また、暑熱期に増加する鈍性発情は発情兆候が不明瞭なことから、発情見逃しの原因となり、交配頭数を低下させる大きな問題の一つとなっている。さらに鈍性発情を示した牛が受胎能を有するかについてわかっていない。
そこで、個体に対する十分な繁殖管理が困難となる大規模繁殖経営における効率的かつ安定的な繁殖向上技術および鈍性発情検知技術の開発を目的とし、歩数計による発情検知ならびに人工授精(AI)の適期推定の可能性について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 乗駕許容行動を伴う発情(スタンディング発情:ST発情)を示す牛において、発情特異的な行動であるSTの頻度は高く、発情の開始から7時間前後でピークを迎えた後経時的に低下する。歩数はST頻度と同様に発情開始時に急激に増加し、発情開始から10時間前後は非発情時と比較し有意に高い値を示す(図1)。
  2. STを示さない鈍性発情の牛において、発情時の歩数はST発情と同様に発情開始時に急激に増加し、発情開始から10時間程度非発情時と比較し有意に高く、その後低下する(図2)。
  3. ST発情と鈍性発情において発情持続時間は同等であり、有意な差はない(表1)。さらに、歩数の増加開始を発情開始として16±4時間後に人工授精を実施することで、鈍性発情においてもST発情と同等の受胎結果が得られる(表1)。
成果の活用面・留意点
  1. 発情検知用の歩数計として、株式会社コムテックの牛歩システムを用いた。
  2. 発情の兆候(ST発情または鈍性発情)に関わらず、歩数計が発情検知に有用であることが示されたが、ST発情の一部で誤診も認められたため、現場においては牛の観察やSTを検知するためのヒートマウントディテクターなどと組み合わせて確認することが望ましい。
研究内容 http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/4th_laboratory/karc/2018/karc18_s05.html
カテゴリ 経営管理 繁殖性改善

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