タイトル | 水田輪作体系における無代かきおよび乾田直播水稲栽培の後作大豆の収量向上 |
---|---|
担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 北海道農業研究センター |
研究期間 | 2017~2020 |
研究担当者 |
鮫島啓彰 中村卓司 長南友也 山根剛 森本晶 大友量 岡紀邦 大橋優二 |
発行年度 | 2020 |
要約 | 北海道の水田輪作体系において、水稲代かき移植栽培と比較して無代かき移植や乾田直播栽培の後作大豆では、苗立ち数の増加と各個体の生育向上により収量が10%以上増加する。 |
キーワード | 水田輪作体系、無代かき水稲栽培、乾田直播水稲栽培、大豆、収量、北海道 |
背景・ねらい | 無代かき移植および乾田直播水稲栽培は、春作業の軽減など、省力化できることから北海道の水田作地域に普及しはじめているが、水田輪作体系に導入した際の後作大豆の生産性への影響は明らかではない。本研究では水稲作の翌年に行われる大豆作に着目し、水稲栽培時の乾田直播や代かきの有無が後作大豆の収量・生育に及ぼす影響を3年間の現地調査によって評価する。 |
成果の内容・特徴 | 1.現地圃場における大豆の3年間の平均収量(前年水稲の耕起作付け体系が代かき移植、無代かき移植、乾田直播で、それぞれ352、411、404kg/10a)は、前年が無代かき移植および乾田直播の場合、代かき移植の後作大豆と比べて、それぞれ17%および15%増加する(図1)。 2.大豆の収量と収穫時の地上部乾物重は強い正の相関関係を示す。収穫時の地上部乾物重は、前年水稲が代かき移植の場合と比較して、無代かき移植で17%、乾田直播で18%増加する(図2、表1)。個体数もそれぞれ8%、10%増加する(表1)。無代かき移植および乾田直播水稲栽培の後作大豆では、苗立ち数の増加と各個体の生育向上により地上部乾物重が増え、増収につながる。 3.収量構成要素について、地上部乾物重の向上にともない粒数も増加し、百粒重については増加傾向を示すことが、無代かき移植および乾田直播栽培の後作大豆の増収につながる(表1)。 4.生産者へのアンケートの結果、大豆播種前の耕起は2~4回行われている。すなわち、水田輪作体系において、畑作のために複数回の耕起を行っても前年までの代かき移植の影響が残る(表2)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.無代かき水稲栽培が一部導入されている岩見沢市の21生産者の47圃場で得られた結果である。他の地域についてはさらに調査が必要である。 2.大豆は各生産者の判断による通常栽培とした。 |
図表1 | ![]() |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/harc/2020/harc20_s01.html |
カテゴリ | 乾田直播 収量向上 省力化 水田 水稲 大豆 播種 春作 輪作体系 |