タイトル | バンカー法構築のための4種天敵アブラバチの寄主アブラムシリスト |
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担当機関 | (国)農業・食品産業技術総合研究機構 中央農業研究センター |
研究期間 | 2015~2019 |
研究担当者 |
長坂幸吉 光永貴之 |
発行年度 | 2020 |
要約 | 天敵コレマンアブラバチ、ギフアブラバチ、ダイコンアブラバチ、ナケルクロアブラバチは、それぞれ4種、2種、3種、8種の害虫アブラムシ類に寄生可能であり、ムギ類やソルゴーで増殖するアブラムシ類5種の中からバンカー法の代替寄主を選定できる。 |
キーワード | コレマンアブラバチ、ギフアブラバチ、ダイコンアブラバチ、ナケルクロアブラバチ、寄主範囲 |
背景・ねらい | 施設園芸の害虫である多様なアブラムシ類を防除するには、寄主探索能力の高い天敵アブラバチ類を園芸作物を加害しない代替寄主アブラムシのついた植物上(バンカー植物)で涵養するバンカー法が有効である。バンカー法により、施設内にアブラバチ類が長期間定着し、継続的にアブラムシ類を防除できる。そこで、効果的なバンカー法を構築するため、野菜の害虫アブラムシ類11種とムギなどに発生するアブラムシ類5種に対する天敵製剤2種(コレマンアブラバチ、ギフアブラバチ)と土着アブラバチ類2種(ダイコンアブラバチ、ナケルクロアブラバチ)の寄生性を同一基準で評価する。 |
成果の内容・特徴 | 1.コレマンアブラバチは、害虫としてはマメアブラムシ、モモアカアブラムシ、ワタアブラムシの他、タイワンヒゲナガアブラムシにも寄生し(図1、表1)、代替寄主としてはムギクビレアブラムシなど4種を候補にできる(図2、表1)。 2.ギフアブラバチは、害虫としてはジャガイモヒゲナガアブラムシとモモアカアブラムシに寄生し(図1、表1)、代替寄主としてはムギヒゲナガアブラムシなど3種を候補にできる(図2、表1)。 3.ダイコンアブラバチは、ダイコンアブラムシ、ニセダイコンアブラムシ、モモアカアブラムシに寄生し(図1、表1)、代替寄主としてはムギミドリアブラムシなど3種を候補にできる(図2、表1)。 4.ナケルクロアブラバチは、イチゴケナガアブラムシ以外の10種の害虫アブラムシに寄生してマミーを形成する(図1A)。しかし、ニセダイコンアブラムシとダイコンアブラムシでは成虫は羽化しない(図1B)。代替寄主としてはトウモロコシアブラムシなど5種を候補にできる(図2、表1)。 |
成果の活用面・留意点 | 1.ここで示したマミー数や羽化成虫数は寄主範囲の確認のための指標であり、寄生可能な種類を全て防除できるわけではない。防除対象とする害虫アブラムシの選択に際しては、アブラムシと天敵アブラバチの内的自然増加率の比較および圃場における密度抑制効果を確認する必要がある。 2.代替寄主アブラムシの種類やバンカー法の実施時期によってバンカー植物の種類(オオムギ、コムギ、エンバク、ソルゴーなど)を適切に選択する必要がある。 |
図表1 | ![]() |
研究内容 | https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/carc/2020/carc20_s17.html |
カテゴリ | いちご 大麦 害虫 施設園芸 だいこん とうもろこし ばれいしょ 防除 わた |