ブタ筋肉内粗脂肪含量の指標となる血中分岐鎖アミノ酸

タイトル ブタ筋肉内粗脂肪含量の指標となる血中分岐鎖アミノ酸
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 畜産研究部門
研究期間 2016~2020
研究担当者 谷口雅章
荒川愛作
西尾元秀
岡村俊宏
石井和雄
大西知佳
門脇宏遠
小平貴都子
本間文佳
松本和典
発行年度 2020
要約 ブタ血中の代謝物である分岐鎖アミノ酸濃度の高さは、豚の筋肉内脂肪含量の高さを推定する指標となるため、育種効率化が期待される。
キーワード 豚肉質、筋肉内脂肪含量、メタボロミクス、分子マーカー、分岐鎖アミノ酸
背景・ねらい 豚肉質のうち筋肉内脂肪含量(IMF)は食味や食感に影響するため、最も重視される形質の一つである。しかし、と畜後に化学的分析を行う必要があるため、肥育中の豚生体からIMFを推定できる手法の開発が望まれる。そこで、本研究では、キャピラリー電気泳動質量分析(CEMS)を用いて、高低IMF群間で差異を示す血中代謝物を網羅的に解析し、IMFと関連するものを特定することにより、と畜前に豚肉質の評価を可能とする指標の開発につなげる。
成果の内容・特徴 1.材料と方法:家畜改良センター宮崎牧場および茨城牧場のデュロック種、各10頭について、出荷前日の血清を用いたメタボローム解析を行う。
2.筋肉の合成に関わる分岐鎖アミノ酸のロイシン、イソロイシン、バリン濃度は、低IMF群に比べ、高IMF群の血中で高い(表1)。
3.高IMF群は低IMF群に比べて、分岐鎖アミノ酸、および、その代謝産物の血中濃度が有意に高い、あるいはその傾向が認められる(図1)。
成果の活用面・留意点 1.本研究により、ブタIMF推定の指標として、血中の分岐鎖アミノ酸濃度の利用可能性がある。
2.本成果は遺伝および環境の影響を考慮し、2農場での結果をもとにしているが、例数が小さいため、より大規模な集団を用いた解析により、分岐鎖アミノ酸のIMFへの効果を検証する必要がある。
3.民間養豚場レベルでの実用化に向けては、血中成分が飼料成分の影響を受けることに留意する必要がある。
4.肥育の早期にストレスの無い方法で採血、あるいは他種の生体サンプル(唾液、糞尿など)による、簡易で迅速な分岐鎖アミノ酸測定技術の開発が必要である。
図表1 244644-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/nilgs/2020/nilgs20_s06.html
カテゴリ 育種 出荷調整 測定技術 肉牛 メタボローム解析 良食味

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