機械学習を用いた牛用尾部体表温センサデータによる発情検知・分娩予測

タイトル 機械学習を用いた牛用尾部体表温センサデータによる発情検知・分娩予測
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 動物衛生研究部門
研究期間 2017~2019
研究担当者 檜垣彰吾
吉岡耕治
鈴木千恵
櫻井玲奈
岡田浩尚
古山敬祐
佐々木羊介
阿部剛大
本川和幸
南野知也
三栗野陽子
堀井洋一郎
発行年度 2020
要約 体表温を連続的に測定可能な牛用尾部体表温センサから得られるデータに基づき、発情検知や分娩予測を可能とする機械学習による解析法であり、発情発見や分娩監視に要する観察時間の大幅な削減が期待できる。
キーワード 牛、体表温、機械学習、発情検知、分娩予測
背景・ねらい 近年、家畜生産の省力化・低コスト化を目的とし、家畜に装着するセンサ(ウェアラブルセンサ)の開発が世界的に進んでいる。しかし、センサ開発に比べてセンサデータの解析法に関する研究は進んでおらず、センサデータを十分に活用できていない。
そこで本研究では、繁殖管理上重要な発情と分娩を取り上げ、研究担当者らが開発した無線式小型尾部体表温センサ(尾根部腹側へ装着し、体表温を連続的に測定可能なセンサ)から得られるデータに基づき、発情検知ならびに分娩予測を可能とする機械学習による解析法の開発を行う。
成果の内容・特徴 1.尾部体表温センサを用い2~10分間隔で体表温を測定し、測定データから1時間毎の最高値を抽出する(図1)。
2.体表温データの差分(体表温差:前3日間の同時刻平均値との差)を算出することで、概日周期を相殺して発情や分娩に伴う体表温の変化を捉えることが可能である(図2)。
3.発情周期中の体表温差の変化パターンを機械学習(ニューラルネットワーク)により解析すると、感度60%・精度70%程度で発情を検知できる。また、周産期の体表温差の変化パターンを機械学習(サポートベクターマシン)により解析すると、感度80%・精度70%程度で24時間以内の分娩を予測できる。
4.センサデータは携帯電話回線やインターネット回線を利用してクラウド上に収集し、管理することができる。
成果の活用面・留意点 1.尾部体表温センサ装着に係る時間は概ね2分程度であり、1ヶ月程度は連続装着が可能である。
2.本法は自動で取得される体表温データを用いることから、発情発見や分娩監視に要する観察時間を大幅に短縮でき、繁殖管理の省力化に貢献する。
3.本法は発情周期や分娩に伴って生理学的に変化する体表温を捉える手法であることから、行動が制限される繋ぎ飼育下においても利用可能である。
4.本法は機械学習を用いた発情検知・分娩予測法であり、センサデータの蓄積やセンサデバイスの多機能化を図ることで、より正確な発情検知や分娩予測が可能になると期待できる。
図表1 244660-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/niah/2020/niah20_s22.html
カテゴリ 省力化 低コスト 繁殖性改善

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