輸入検疫迅速化のための検疫有害動植物データベース

タイトル 輸入検疫迅速化のための検疫有害動植物データベース
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 農業環境変動研究センター
研究期間 2015~2020
研究担当者 中谷至伸
土`田聡
松下陽介
吉武啓
有本誠
発行年度 2020
要約 海外からの侵入、国内での分布拡大が警戒される有害動植物や病原菌等微生物に関する情報を約3300件集積したデータベースであり、植物防疫所からこれらの情報の閲覧・登録が可能である。本データベースを利用することで、検疫現場において有害動植物の情報や検出手法が入手できる。
キーワード 検疫有害動植物、データベース、植物防疫所、検出情報
背景・ねらい 地球規模の気候変動や物流の増加によって、有害動植物や病原菌等微生物の海外からの侵入あるいは国内における分布拡大のリスクが増大している。これに伴い、植物防疫所など検疫現場で対応すべき種が増加している。これらの迅速な同定や、侵入した際に適切な対策を講じるためにはバックグラウンドとして膨大なデータが必要となり、これらのデータの閲覧や検索が容易にできるシステムの構築が求められている。
そこで、本研究では、有害動植物や病原菌等微生物について、DNAバーコーディング等の分子情報および形態、生態、分布等の分類群に関する情報や、サンプルの情報、画像や検出法のマニュアル等を蓄積したデータベースを構築し、侵入が警戒される、あるいは国内で分布の拡大が懸念される有害動植物の情報を蓄積することで、重要病害虫の同定の迅速化に貢献することを目指す。
成果の内容・特徴 1.本データベースは、有害動植物等の分類群(種)情報データベース、標本等のサンプル情報データベース、文献情報データベースによって構成され、各データはそれぞれリンクしており横断的に閲覧可能である(図1)。
2.各データベースは、検疫有害動植物に関する分布、加害植物、病原性等の情報および、各サンプルの塩基配列、産地情報や画像を含み、それぞれリンクを介して関連する文献の情報にもアクセスが可能となる。これまでに、病原性ウイロイド約250件(6種)、ウイルス媒介性アザミウマ約1,400件(85種)、サツマイモ害虫ゾウムシ約1,700件(2種)を中心に検疫有害動植物に関する情報約3,300件の登録が完了している(図2)。
3.本データベースには、サンプルの情報に加え、検出マニュアル等を収納が可能で、病害虫の種情報にアクセスすることで検出手法の情報を得ることができる。これまでに3件のマニュアル・検出法を収納している(表、図3)。
4.輸入検疫現場での活用に加え、国内において未発生地域での検疫有害動植物の発生が疑われる際に、本データベースの情報を利用することで迅速な同定が可能になるなど、緊急時への対応にも活用できる。
5.本データベースは、農研機構公開サーバー上に設置しているが当面は非公開とする。データ登録・編集は植物防疫所ならびにアクセス許可を与えられた研究機関からのみ可能である。
成果の活用面・留意点 1.普及対象:植物防疫所、都道府県病害虫防除所。
2.普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:各植物防疫所、全国の都道府県病害虫防除所。
3.その他:
当面は植物防疫所で利用しつつ、各地の病害虫防除所等の要望を踏まえながらユーザー機関の増加を目指す。今後、農研機構が委託事業で収集している病害や侵入警戒調査、防疫指針に関する情報に基づき、搭載する種を増やしデータベースの充実を図る予定。
図表1 244790-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/4th_laboratory/niaes/2020/20_043.html
カテゴリ 害虫 データベース 病害虫防除

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