固有振動特性を用いた新たな防波堤基礎部変状の診断方法の提案

タイトル 固有振動特性を用いた新たな防波堤基礎部変状の診断方法の提案
担当機関 (国研) 水産研究・教育機構 水産技術研究所 環境・応用部門
研究期間 2016~2020
研究担当者 三上信雄
大井邦昭
発行年度 2020
要約 漁港施設の基礎部の変状を振動計測により推定する技術について、防波堤堤体の上部工において強制加振を行い、防波堤上部での振動を計測することで堤体両端の鉛直変位量差を求める方法を提案した。室内モデルによる室内試験と現地構造物を用いた現地試験を行い、基礎部分の変状の有無及びその規模によって鉛直変位量に差が表れることを確認し、基礎部の変状を評価する手法としての実用性を確認した。
背景・ねらい 漁港の防波堤は、その基礎となる底面部分に波や流れなどにより石材が洗い流される(洗掘)、または摩耗 による空洞等の変状が生じると、傾いたり、倒れたりするなど、大きな被害が生じる場合があります。このような基礎部の変状は、その場所が水中部にあるため、潜水士による目視観察調査による診断に頼っており、潜水士の作業負担や調査費用が大きくなります。
 そこで、水中部での潜水士による目視観察作業を行わなくても基礎部の変状を簡易に把握することができるよう、防波堤上面の陸上部において構造物が最も揺れやすい振動数(固有振動数)を計測・解析し、その振動数の変化という構造物の振動特性から防波堤の基礎部の変状の有無を検出できる方法を検討しました。
成果の内容・特徴 防波堤の振動特性を用いた基礎部の変状の診断方法について、圧縮ばねを用いた試験供試体での室内試験により、強制的に振動を生じさせる強制加振を行うことで振動数を確実に特定できることを確認しました。また供試体両端部の鉛直方向の振幅(鉛直変位量)の差を比較すれば基礎部変状を検出できることも明らかにしました。その上で、基礎部分が健全な防波堤と変状を有する防波堤で現地試験を行い、防波堤上部の両端部における鉛直変位量の差が「有」の場合は「無」に比べ変位量の差が大きくなっていることが確認され、現場での本手法の有効性を示すことができました。
成果の活用面・留意点 本手法を活用することにより、潜水観察調査における詳細調査の点検箇所の絞り込みが可能となり、現場での負担が大きい潜水作業の軽減や潜水調査費用の削減が図られ、効果的かつ効率的な漁港施設の維持管理が推進されます。
研究内容 http://fra-seika.fra.affrc.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=10074&YEAR=2020
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