茶の44品種・系統に対応したDNA品種識別技術

タイトル 茶の44品種・系統に対応したDNA品種識別技術
担当機関 (国)農業・食品産業技術総合研究機構 果茶研
研究期間 2018~2020
研究担当者 谷口郁也
保坂ふみ子
山本寿喜
後藤洋
押野秀美
成田知聡
発行年度 2021
要約 食品のDNA品種識別に関するISO規格に基づく試験室内妥当性試験により、安定性と再現性が確認された茶のDNA品種識別技術である。15種類のSSRマーカーを用いたDNA品種識別技術は「せいめい」を含む主要な茶44品種・系統の識別が可能で、育成者権の保護に利用できる。
キーワード 茶、SSRマーカー、品種識別、DNA、遺伝子型
背景・ねらい 近年、日本からの緑茶の輸出額は増加しており今後も伸びが期待されるが、我が国で開発された優良品種の品種名偽装や海外流出は、品種の育成者権のみならず、生産者、流通業者、消費者にとっても大きな問題である。茶は挿し木で容易に増殖でき、育成者の意図しない苗木の流出等が起こりうるため、品種の知的財産権を保護するためには、品種識別技術が必要である。これまで2005年にCAPSマーカー等を用いた茶の品種識別技術が開発されているが、最新の品種に対応しておらず、一部のマーカーは妥当性確認ができていない。そこで、安定性と再現性が確保された茶のDNA品種識別技術を開発する。
成果の内容・特徴 1. 本技術は、反復単位が4-5塩基からなるSSR(Simple Sequence Repeat)マーカー15種類を用いた品種識別技術である。15種類のマーカーは、茶の発現遺伝子配列情報を元に開発したSSRマーカーと論文で公表されているSSRマーカーの中から、安定して結果を判定できるマーカーを選択したものである(表1)。
2. 分析対象は製茶加工していない生葉サンプルである。生葉サンプルよりDNA抽出後、表1のプライマーを用いてPCRで増幅し、キャピラリ型DNAシーケンサーを用いたフラグメント解析により遺伝子型を決定し、マーカー遺伝子型の組合せにより品種を識別する。
3. 農研機構が育成し、普及が進んでいる「せいめい」を含む新品種や国内で栽培される主要品種等、茶の44品種・系統(表2)の識別に利用可能である。
4. ISO 13495(食品-特異核酸を使用する品種同定法の選択原理及び妥当性確認基準)に基づき、農研機構種苗管理センターで実施された試験室内妥当性確認により、15種類のマーカーの安定性と再現性が評価されている。
成果の活用面・留意点 1. 普及対象:農研機構種苗管理センター、品種識別等検査機関等
2. 普及予定地域・普及予定面積・普及台数等:PCR装置やキャピラリー型DNAシーケンサー等の機器を有する分析機関、研究機関での利用が期待される。
3. その他:農研機構種苗管理センターが実施する品種類似性試験で本技術が利用されており、育成者権侵害の疑いがある際に利用できる。なお、他機関で本技術を利用した分析を実施する際は、ISO 13495やDNA品種識別技術の妥当性確認のためのガイドラインを参考にして、それぞれの機関で識別精度を評価した上で行うことが望ましい。
図表1 249059-1.png
研究内容 https://www.naro.go.jp/project/results/5th_laboratory/nifts/2021/21_014.html
カテゴリ 加工 挿し木 新品種 品種 輸出

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