新型プロペラガードの開発と実用化

タイトル 新型プロペラガードの開発と実用化
担当機関 (国研) 水産研究・教育機構 水産技術研究所 環境・応用部門
研究期間 2019
研究担当者 松田秋彦
発行年度 2021
要約 網を乗り越える際に網がプロペラに絡むことを防止するプロペラガードは船速が低下するという欠点があります。そこで、プロペラをガードするという目的はそのままに、船速をほとんど落とさずにすむプロペラガードを考案しました。このガードは実際に旋網漁船の網船に搭載され、不具合なく使用できることを1年以上にわたって確認しています。
背景・ねらい 1.網を使って魚などを獲る漁船は、プロペラに網が絡まることがあります。

2. 特に定置網漁船やまき網漁船は網を乗り越えることが多く、プロペラに網が絡むことを防ぐ、かご状のプロペラガードを装備しています(図1)。

3. かご状の従来型プロペラガードは網がプロペラに絡むことを防げますが、抵抗が非常に大きく、最高速力が20%程度低下し、燃費も悪化します。

4. 網船、運搬船、灯船など4~6隻ほどで船団を組んで操業するまき網漁船団の灯船においては、速度低下が操業に支障を来すため、従来型プロペラガードを取り付けられないことが問題となっていました。

5. そこで、速力が低下せず、安心して網を乗り越えることができる新型プロペラガードを開発しました。
成果の内容・特徴 1. 図2に示すようなプロペラの外周のみを翼断面形状でガード(紫色の部分)する新型プロペラガードを考案しました。この新型プロペラガードの形状はガードの装着により抵抗が増える分をプロペラへ効率よく流れを導くことで相殺できます。

2. 新型プロペラガードを模型船に取り付け、その性能を確認しました。プロペラガードが無い状態で15ノット(1ノット = 時速1.852km)相当のスピードのエンジン出力において、プロペラガードがあっても最大で0.1~0.3ノット(1~2%)の速度低下しかないことが確認できました。

3. プロペラガードにかかる波の力を計算し、台風に匹敵する荒天時においても十分な強度を有するように建造できることを確認しました。

4. 令和2年3月に就航したまき網漁業用の灯船に搭載され(図3)、設計どおり、速力16ノットでの運航が可能なことを確認することができました。就航後、1年間にわたって運航していますが不具合はなく、また、安全に網を乗り越えることができることも確認できています。
成果の活用面・留意点 通常の漁船よりも乗り心地が良いと乗組員から評価されているため、乗り心地がどのように良くなっているかの調査・検討も開始する予定です。
図表1 249196-1.png
図表2 249196-2.png
図表3 249196-3.png
研究内容 https://fra-seika.fra.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=11090&YEAR=2021
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