ヒラメのアクアレオウイルス感染症の防除法を確立

タイトル ヒラメのアクアレオウイルス感染症の防除法を確立
担当機関 (国研) 水産研究・教育機構 水産技術研究所 養殖部門
研究期間 2014~2020
研究担当者 河東康彦
前田知己
清水大輔
西岡豊弘
発行年度 2021
要約 全国のヒラメ種苗生産場で大きな問題となり、防除対策が求められていたヒラメのアクアレオウイルス感染症に関して、これまでの研究成果を元に防除対策をマニュアル化し、講習会の開催や検査に必要な試薬の配布等により現場普及を推進した。
背景・ねらい ヒラメのアクアレオウイルス感染症が全国各地の種苗生産施設で発生し、生産種苗が全て廃棄される事例がしばしば報告されていた(図1)。これまでに、種苗生産に用いたヒラメ親魚が稚魚で発生する病気の感染源となっていることを突き止め、親魚から稚魚への感染経路を遮断する方法の開発に取り組んできた。その結果、ウイルス排出量の多い高リスク親魚を選別するために腸管ぬぐい液検査法を開発し(図2)、受精卵に付着したウイルスによる垂直感染対策として、強い消毒作用をもった電解海水による受精卵の最適な洗浄条件を明らかにした(図3)。本成果では、これらの技術を組み合わせたアクアレオウイルス感染症の防除法についてマニュアル化し、種苗生産現場への技術移転を推進した。
[成果の内容・特徴]
感染経路を遮断するために重要なノウハウを「迅速診断法」、「垂直感染対策」、及び「水平感染対策」としてまとめた「ヒラメのアクアレオウイルス感染症 防除対策マニュアル」を作成し、水産研究・教育機構のウェブサイトに公開した。本マニュアルは、現場への技術移転を促進するために、作業工程に必要な資材・器材のカタログ番号や作業風景の写真を交えながら、できるだけ実践的な解説をしている(図2及び図3)。種苗生産現場への技術移転を進めるために、防除対策マニュアルに記載された作業工程に関する講習会の開催や各県担当者への個別指導を実施した。また、PCR検査による迅速診断法に必要な陽性対照の配付も必要に応じて実施した。また、本感染症の対策として、親魚選別及び受精卵の洗浄だけに依存しない「総合的な防疫対策」を提案した(図4)。すなわち、使用する器具や作業をする人間の手足も消毒を徹底し、かつ飼育水についてもウイルスフリー区域に入れる前には紫外線殺菌装置等による十分な殺菌が望ましいと考えられる。このような「総合的な防疫対策」の概念について、各種分科会、研究会、及び商業誌等を通じた啓発活動を実施した。
成果の内容・特徴 複数年にわたってアクアレオウイルス感染症が発生し、多くの種苗を処分していた2県のヒラメ生産機関において、防除対策マニュアルに基づく対策が適切に実施された結果、ヒラメのアクアレオウイルス感染症を完全に防除することに成功した。
図表1 249201-1.png
図表2 249201-2.png
図表3 249201-3.png
図表4 249201-4.png
研究内容 https://fra-seika.fra.go.jp/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=11076&YEAR=2021
カテゴリ 防除

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