2 施設ピーマン,ナス,トマト病害虫の生物的防除体系の確立

課題名 2 施設ピーマン,ナス,トマト病害虫の生物的防除体系の確立
研究機関名 鹿児島県農業試験場
研究分担 病虫部
研究期間 新H15~18
年度 2003
摘要  施設ピーマン,ナス,トマトの環境保全型防除技術を確立する。(1)ピーマンではタイリクヒメハナカメムシの秋季2回放飼(1頭/m2/回)で栽培終了までミナミキイロアザミウマの発生と被害を低く抑えた。さらに,タイリクヒメハナカメムシの放飼量を削減できる可能性が示唆された。ククメリスカブリダニは放飼前にふすまを処理することでアザミウマの発生を1月までは抑えた。コレマンアブラムシはバンカープラントと併用することで,1回放飼で栽培終了時までワタアブラムシ,モモアカアブラムシを低密度に抑えられる。タイリクヒメハナカメムシとコレマンアブラバチの体系処理ではジャガイモヒゲナガアブラムシが発生し,今後の課題となった。微生物製剤(Bacillus subtilis)はピーマンうどんこ病に対し多発条件下では十分な防除効果は得られなかった。(2)施設ナスではタイリク(1頭/株,1週間間隔2回)のアザミウマ類に対する防除効果が認められた。ただし,放飼時の葉当たりのアザミウマ類の虫数が0.23~0.43頭以上の条件下では,タイリクヒメハナカメムシのみではアザミウマ類の発生を抑制できないと考えられる。オンシツツヤコバチのシルバーリーフコナジラミに対する効果やハモグリバエに対するイサエアヒメコバチ,ハモグリコマユバチの効果は判然としなかった。コレマンアブラバチを処理する場合は,アブラムシ類がごく低密度時から処理するか,天敵類に影響の少ない化学農薬と組み合わせて使用する必要がある。ナス灰色かび病に対し微生物製剤(Bacillus subtilis)は高い防除効果を示したが,果実の汚れが問題であった。(3)トマト,ミニトマトでは,ハモグリバエ類に対して定植時に残効性の長い粒剤を処理し,秋季にトリガード液剤と生物農薬を併用することにより,秋季から冬季の発生密度を低く抑え,春季の発生増加の時期を遅らせることができた。春季にはエンドウのナモグリバエに寄生する土着天敵を利用して,ハモグリバエ類の防除を行ったが,防除効果が不十分であった。コナジラミ類に対しては,定植時に残効性の長い粒剤を処理し,秋季に化学農薬と生物農薬による防除と合わせて非散布型化学農薬のラノーテープを設置することにより,秋季のコナジラミ類の発生密度を低く抑えることができ,冬季から春季にかけての防除回数を3~5回削減できた。オンシツツヤコバチのシルバーリーフコナジラミに対する効果については,更に検討が必要である。また,鱗翅目害虫やトマトサビダニに対する防除法についても更に検討を要する。
研究対象 ピーマン,ナス,トマト
戦略 園芸,環境
専門 病害,虫害
部門 新産業
カテゴリ 病害虫 うどんこ病 害虫 カメムシ 栽培技術 生物的防除 土着天敵 トマト なす 農薬 ばれいしょ ピーマン 防除 ミナミキイロアザミウマ ミニトマト わた

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