酵素利用による新規食品の開発

課題名 酵素利用による新規食品の開発
研究機関名 高知県工業技術センター
研究分担 食品加工部
研究期間 完H13~15
年度 2003
摘要 目的:水産食品原料に含まれるプロテアーゼ等の酵素を制御又は利用して新製品開発や品質の保持に応用し、水産食品業界の売り上げアップに貢献する。成果:1)冷凍カツオたたきの食べ頃時期の解明○業界より、食べ頃時期を化学的に明らかにしたデータをもとに消費者に冷凍カツオたたきの食べ頃時期を説明する必要性に駆られているとの要望があったため、ATP関連化合物に着目して官能検査と併せて比較した結果、流水で完全解凍後、2時間が残存するATPによって身にもちもち感をもたらし、他方ATPの分解によって生じたIMPがうま味を倍増させることが判明した。(H13)2)煮干しのうま味解明○宿毛湾で漁獲される煮干し原料はカタクチ、ウルメ、キビナゴの3種が中心で、その値段はカタクチ>ウルメ>キビナゴの順であり、この値段とうま味が一致しているのかを調査するため、うま味の主成分である遊離アミノ酸とイノシン酸量を比較した結果、いずれの魚種共その含量に差は認められなかった。(H13)3)スケトウダラ冷凍すり身の弾力劣化を抑制する水溶性タンパク質の魚種間差解明○魚種間のプロテアーゼに対する阻害活性と弾力増強効果について検討した結果、システインタイプ並びにセリンタイプ両者を阻害する魚種にその効果は強く、トゲカナガシラ>ヤマトカマス>シイラ>カナド>アカムツ>マエソ>マルソウダの順であった。これらの筋肉抽出液には破断強度を増強するトランスグルタミナーゼとは異なるタンパク質が存在し、そのタンパク質によって弾力の劣化抑制と増強効果を併せもつことが明らかになった。(H13)4)酵素活性を制御した干物、調味加工品、練り製品の新製品を試作・普及○酵素制御又は利用した種々の新製品を開発し、既に販売されている製品は「高級カマス干物(昆布のうま味相乗効果と膨潤作用を利用)土佐食、出間海産」「ウルメ丸干し改良品(昆布の利用と乾燥条件の改良)倉内商店」「宗田鰹フィッシュボール(ペット用)(赤身魚肉の加熱凝集性を利用)土佐食(イナバ食品)」である。(H14)5)スケトウダラ冷凍すり身の弾力劣化を抑制する水溶性タンパク質の魚種間差について水産学会へ投稿○水産学会へ投稿中。(H15)6)高級チリメンジャコ製造装置の開発○高圧水を使った洗浄装置が開発され、販売予定(川久保製作所:赤岡町)である。(H15)7)スジアオノリ水溶性成分の抗アレルギー作用について○肌の保湿成分ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼの活性を90%以上阻害する成分がスジアオノリに含まれていることが明らかになり、化粧品へ利用する道が開けた。(H15)
戦略 食品
専門 水産利用加工
部門 海洋
カテゴリ 加工 乾燥

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