摘要 |
目的:自然冷熱エネルギーを利用して貯蔵した農産物について、貯蔵期間中の品質変化を明らかにするとともに、流通・利用場面での品質変化について調査する。計画:(1)アイスシェルター貯蔵中における農作物の品質変化 (2)アイスシェルター貯蔵農作物の輸送中における品質変化成果:(1)アイスシェルターで貯蔵した白菜は、夏季の高温により庫内温度が上昇したため、貯蔵6週間後に葉色が著しく退色した。アイスシェルター貯蔵、低温庫貯蔵ともにビタミンC含量に変化は見られなかったが、廃棄率が経時的に上昇した。 (2)種イモ倉庫で3ヶ月間低温貯蔵したバレイショは、乾物率、デンプン価に変化は見られなかったが、ビタミンC含量は減少し、糖含量は上昇した。 (3)種イモ倉庫または低温庫に貯蔵したながいもは、乾物率とねばりが低下し、一部は腐敗した。 (4)農作物の品質に及ぼす輸送の影響としては、糖含量とビタミンC含量の低下が認められ、低温輸送に比べ常温輸送でその影響が大きかった。輸送したバレイショの調理適性および食味についてエンドユーザーである調理担当者にアンケートを行った結果、長期低温貯蔵したバレイショは、通常のものと比較して甘味の評価が高かったが、輸送方法による差は見られなかった。
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