食材に由来する高齢疾患予防因子の機能解析とその応用-.高齢疾患予防因子の探索と構造機能相関解析-

課題名 食材に由来する高齢疾患予防因子の機能解析とその応用-.高齢疾患予防因子の探索と構造機能相関解析-
研究機関名 秋田県総合食品研究所
研究分担 生物機能
研究期間 継H15~19
年度 2004
摘要 目的:高齢社会の到来とともに、高齢者特有の疾患が増大してきている。近年食品の安全性や生理機能性の解明に対するのニーズも増してきており、我々は当研究所開所以来、このテーマに関して対応してきた。本課題ではこれまで単離した化合物の作用メカニズムを解明するとともに、県内企業からの食品素材に生理機能を付与し、販路拡大に役立てることを目的とした。特に、本年度の目的である、キク科植物に多く含まれる lupeolの腫瘍細胞に対する運動抑制活性に関して、分子レベルでのメカニズム解明を目的とした。
成果:これまで、キク科植物に多量に含まれる lupeolが色素細胞の分化誘導因子としての機能を有し、メラニン産生を促進する働きがあることが明らかにした。また、色素細胞の樹状突起形成を促進することで、メラノーマ細胞の運動性を抑制し、抗転移剤の開発に繋がることを明らかにした。本年度は、細胞骨格の再編成を制御するシグナル伝達系に対する影響を検討した。アクチン束であるストレスファイバー形成には、低分子 Gタンパク質のひとつである Rho以下のカスケードが関与していることが知られている。そこで、Rhoカスケードの標的分子であり、アクチン脱重合促進因子である cofilinの活性化レベルを検討した。Lupeol処理した B16 2F2細胞では、cofilinの発現量には変化が認められず、cofilinの活性化 (脱リン酸化)が認められた。また、同細胞のメラニン産生に関与する p38MAPK阻害剤添加により、チロシナーゼの発現は阻害されたが、cofilinの活性化には影響を与えなかった。Lupeolによる腫瘍細胞運動抑制が、腫瘍細胞のタイプに選択的かどうかを明らかにするため、種々のヒト組織由来の腫瘍細胞に対する運動抑制活性を調べた。結果、lupeolはヒトメラノーマ細胞 (G361)、神経芽腫細胞 (NB-1)の運動性に対して、強い選択抑制を示した。しかしながら、他の組織由来の腫瘍細胞に対しては、顕著な運動抑制は認められなかった。また、lupeolによる運動性抑制が認められた G361メラノーマ細胞は、lupeolによる形態変化ならびにストレスファイバーの消失が観察されたが、運動抑制作用が認められなかったヒト骨肉腫細胞株 Saos2では、ストレスファイーバーの消失は観察されなかった。
専門 食品加工流通
部門 共通
カテゴリ 加工 きく 機能性

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