高グリセロール生産酵母による県産ワインの品質向上に関する研究

課題名 高グリセロール生産酵母による県産ワインの品質向上に関する研究
研究機関名 秋田県総合食品研究所
研究分担 酒類
研究期間 完H13~16
年度 2004
摘要 目的:ワインの原料となる醸造用ブドウはその土地の気候や風土に大きく影響され、同一品種でも栽培地によりその品質が異なる。これまでに秋田県の気候に適した醸造用品種を選抜するために、果樹試験場と共同研究で品種選抜試験を行ってきた。一方、県産の原料を利用したワインは酒質が淡泊になる傾向があるため、味の面から改良が望まれてきた。そこで、これまでに貴腐ワインなど高級ワインに多く含まれ、酒質にボディ感をつけるグリセロールを高生産する酵母の育種についても研究してきた。これまでの研究の成果を生かしながら芳香で濃醇なワインを製造し、県外品との差別化及び秋田ワインのブランド化を図る目的で、高グリセロール生産酵母のワイン醸造について詳細な検討を行う。
成果:1)高グリセロール生産株の取得:KW-3を親株として様々な変異処理、薬剤耐性等処理を経て、グリセロールを安定的に高生産する酵母を3株得た。これらは酢酸の生産量が多いため、さらにこれらの薬剤耐性株から比較的酢酸の生産量が低い株を選択した。
2)高グリセロール生産株の発酵特性:様々な温度で発酵試験を行い、増殖、グリセロール生産量、成分について検討した。定常期の酵母数は親株で1.3×108(cells/ml)、高グリセロール生産株は7~10×107(cells/ml)で若干少なかったが、発酵には影響が見られなかった。グリセロール生産量は温度が高くになるつれ生産量が増え、25℃で最も多く、30℃ではやや減っており、効率的にグリセロールを生産するためには25℃で発酵を行う必要があると考えられた。
3)小仕込み試験:実用化に向けて県産原料からワイン醸造を行う予定であったが、台風による塩害により原料果実が手に入らず、やむなく、県外から果実を購入し、試験を行った。果汁により、グリセロール生産量などのワイン成分に違いがでるが、官能評価の結果、すべての品種で高グリセロール生産株C-2が高く評価された。当初の目的である酒質にボディ感をつける味の改良という観点から見ると、シャルドネが最も適した品種であった。シャルドネは第1期品種選抜試験で栽培と醸造の両面から秋田県に適していると選抜された品種でもあり、シャルドネと高グリセロール生産酵母C-2の組み合わせによるワインは、有望であると思われる。
4)グリセロール生産機構:高グリセロール生産酵母は親株に比べ、グリセロールの生産量とともに酢酸の生産量も増え、エタノール生産量が少し抑えられている傾向がある。グリセロールとエタノールはそれぞれグリセロール3リン酸脱水素酵素とアルコール脱水素酵素が競合して生成されるために起こる現象であり、アルコール脱水素酵素の働きが抑えられることにより蓄積されたアセトアルデヒドが酢酸合成へ代謝されるためと考えられる。
専門 食品加工流通
部門 共通
カテゴリ 育種 加工 品種 ぶどう 薬剤耐性 ワイン

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