カキの革新的新栽培法の確立

課題名 カキの革新的新栽培法の確立
研究機関名 鳥取県園芸試験場
研究分担 河原試験地
研究期間 新H16~18
年度 2004
摘要 カキのポット栽培における適当な用土の容量を検討の結果、苗木の生育はポットが大きいほど良かった。果実調査では、果重は小さいポットほど大きかった。糖度はポットが大きい区で高かったが、葉果比の差とも考えられ継続して調査する必要があると考えられた。またアルミ蒸着フィルムマルチの影響を検討の結果、アルミ蒸着フィルムマルチにより、ポット内で温度変化が少ない環境が作られていた。奇形果の発生原因が4月中下旬の高温と考えられるので、次年度奇形果への影響について更に検討する必要があると考えられた。さらにカキのポット栽培における土壌水分動向を調査し、適切なかん水量を検討の結果、かん水は展葉初め期から落葉期までの期間必要と考えられた。1回当たりのかん水量は6月20日頃まで約1,200ml、それ以降は約1,800ml必要と考えられた。1日当たりのかん水回数は、4月で1回、5月上~中旬で1~2回、5月下旬~6月20日頃は2~4回、6月20日頃~9月中旬はかん水量を増して3~4回、9月中旬以降も1~3回は必要と考えられた。果実肥大を調査し、立木栽培と比較検討の結果、‘西条’はポット栽培で第3期の肥大が早くなる傾向が見られ大玉となった。本年は9月下旬から収穫期にかけて雨量が多かったこともあり、雨よけ栽培を行ったポット栽培で糖度が高く、着色も早い傾向であった。‘花御所’については風害の影響が強く、次年度以降継続して調査する必要があった。普通栽培のカキで6月に施用している加里施肥量の低減が可能かどうか検討の結果、加里施肥量の多少はそのまま葉内加里含有率に影響していた。また、果実品質では、慣行区で揃いが最も良かった。‘西条’の仕立て方法の違いと夏枝管理が果実肥大と収量に及ぼす影響を調査の結果、本年は台風の影響で全体的に収量が少なかった。果実品質は平棚栽培よりも立木栽培で良かった。平棚栽培の比較では、夏枝誘引区の方がやや果重が大きく果色も進んでいた。‘富有’の仕立てによる収量性を調査し、適切な仕立て方法を検討の結果、平棚栽培では立木栽培に比べ、樹冠拡大が早く収量も多いことから、樹当たりの出荷量が年々増加していた。‘西条’の仕立てによる収量性を調査し、適切な仕立て方法を検討の結果、本年は台風の影響で全体的に収量が少なかった。平棚栽培では立木栽培に比べ、ほ場面積収量が約1.6倍多く、面積拡大も早い傾向が見られた。‘西条’の樹上軟果落果の実態調査を行い、落果原因を分類の結果、台風被害の大きかった露地立木栽培以外では、本年も樹勢が弱い樹で軟化落果が多い傾向が見られた。露地立木栽培では、台風により樹勢の強い樹で落葉等の被害が大きくこのため落果も多かったと考えられた。本年の樹上軟化落果の主な原因としては、9月上旬の台風と下旬の長雨多雨が考えられた。収穫前の土壌水分条件を変え、樹上軟果落果の発生原因を究明の結果、干ばつ区、湛水区ともに生理落果は見られたが、果実軟化は湛水区のみに見られた。干ばつ区では、土壌が乾燥後に急激に水を与えることによって落果、落葉がおこったと考えられた。湛水区では、最初の落果以外の果実で果頂部からの軟化が見られた。樹上軟果の原因としては湛水による根の障害が大きな要因と考えられた。ドライアイス脱渋よりもコスト低減が可能なCTSD法による脱渋と、エチレン作用阻害剤である1-methylcyclopropene(以下1-MCP)用いて、処理の簡素化と日持ち性向上可能な脱渋方法を検討の結果、1-MCP処理を併用することによってCTSD法による脱渋が可能と考えられた。炭酸ガス処理の温度は、25~30℃が適当と考えられた。25℃処理では脱渋に4日を要したが、30℃処理・30℃保温では2日間で脱渋が完了し、日持ち性も12日程度確保できた。ドライアイス脱渋よりも、より簡易に脱渋と1-MCP処理が可能な方法を検討の結果、いずれの方法においても処理4日目で脱渋は完了していた。開封後の日持ち性ではドライアイス脱渋+1-MCP処理で8日、CTSD脱渋+1-MCP処理で9日、コンテナ、製品箱を1-MCP処理した果実で6日であった。収穫したままのコンテナで、脱渋と1-MCP処理を同時に行う方法を検討の結果、コンテナでの脱渋では果実が湿った状態での果実は不向きであった。有穴ポリによる効果の差はみられなかった。選果後、製品箱に箱詰めした状態で、脱渋と1-MCP処理を同時に行う方法を検討の結果、製品箱での脱渋ではポリエチレン袋に入れずにそのまま並べる方法が適していた。1-MCP処理の簡素化が可能な、新剤形の実用性を検討の結果、これまで効果が認められているSF25mgと同等の日持ち性を得るためには、SR1.5~6cm、SS17~34cmの利用が有効と考えられた。春先の強風等により新梢が折られ、従来の着果基準では十分な葉枚数が得られない場合における着果基準を検討の結果、風害で新梢が折れた場合の摘果基準として、母枝長を基本とした摘果が適していると考えられた。しかし、葉枚数が少ないため糖度が低くなる傾向が見られ、若干着果数の調整も必要と思われた。
研究対象 カキ
戦略 園芸
専門 栽培生理
部門 果樹
カテゴリ かき 乾燥 出荷調整 施肥 低コスト

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