放牧による里山の林畜複合利用技術(タケノコ及び竹チップの採食性試験)

課題名 放牧による里山の林畜複合利用技術(タケノコ及び竹チップの採食性試験)
研究機関名 京都府畜産技術センター
研究分担 碇牧・管理部
研究期間 継H15~17
年度 2005
摘要 1.目的:府内の中山間地域では、高齢化や労働力不足・獣害等が荒廃農林地の増加に拍車をかけている。加えて竹林は繁殖力旺盛な地下茎で繁殖するため、隣接地へ年々拡大し、農林地が竹林化し問題となっている。このため、林業と畜産が連携して竹林を含むエリアに肉用牛の放牧を取り入れて、中山間地における肉用牛及び農林業の振興に資することとし、本年度は肉用牛の放牧が竹林の拡大抑制に及ぼす効果を調査する前提として、タケノコ及び竹チップの採食性等に関する試験を行う。
2.方法:
1) タケノコ採食性試験
(1) 供試タケノコ:地上部の長さ30cm~150cmの太さ約10cmの孟宗竹のタケノコを試験前日の午前中に採取し冷蔵保存したもの。(2) 供試牛:3日間馴致させた繁殖雌牛6頭のうち3頭。(3) 試験方法A:短丈区(30~50cm)、中丈区(51~100cm)、長丈区(101~150cm)の3区のラテン方格法により無裁断タケノコ10kgを飼槽にて2時間自由採食。試験方法B:約5cmに輪切りにしたタケノコ30kgを2時間不断給与。
2) タケノコ嗜好性試験
(1) 供試飼料:タケノコ、オーチャードグラス(生草)、イタリアンストロー、稲ワラ。(2) 供試牛:2(1)と同じ。(3) 試験方法:15分間の自由採食によるオミット式カフェテリア法。
3) タケノコ採食行動試験
(1) 試験方法:場内にタケノコの基部を埋めた疑似竹林を設置、放牧し採食行動を調査。
4) 成分分析:水分、一般成分、NDF、ADF及びTDN
5) 竹チップ給与試験
(1) 供試竹チップ:試験の3日前に採取、破砕後6mmメッシュで篩別し冷蔵保存したもの。(2) 供試牛:2(1)に同じ。(3) 試験方法:市販配合と竹チップを重量比5:1で混合し、各供試牛に2kg給与し、2時間後の残飼量により採食量を測定。
3.結果の概要
1) 試験方法A:全区とも約90分でタケノコを食べ尽くした。
2) 試験方法B:全ての供試牛は30kgを食べ尽くした。
3) 嗜好性はオーチャード>タケノコ>イタリアンストロー>稲ワラの順となった。
4) 立ったタケノコの採食順は、目線の高さ>その上部>折れて落ちた上部>基部の順で、短いタケノコは上部から食べようとはしなかった。
5) タケノコの水分は約90%、乾物中CP含量は12%以上、NDFは60%以上であった。
6) その年に発生した8月上旬の竹の採食は試験初日1.57kg/頭であったが、2日目以降は全く採食しなかった。
4.今後の問題点と次年度以降の計画:1.5m程度のタケノコはよく食べ、嗜好性も良好であり、生えたままの状態でも採食することから、竹林を含むエリアでの放牧利用は可能であると考えられるが、実際に竹林等へ放牧する際は野草と一体利用することが想定され、その場合における効率的な放牧手法の検討が課題である。また、次年度から現地実証試験を行う予定。
5.結果の発表、活用等:京都府畜産技術センター試験研究成績第3号(2006)掲載予定。
研究対象 肉用牛
専門 飼養管理
部門
カテゴリ 飼育技術 たけのこ 中山間地域 肉牛 繁殖性改善

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