課題名 | 採卵鶏の新しい「平飼い」形式の提案 |
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研究機関名 |
京都府畜産技術センター |
研究分担 |
経営・指導部 |
研究期間 | 継H15~18 |
年度 | 2005 |
摘要 | 1.目的:採卵鶏の「平飼い」方式によって生産された卵や自家処理した鶏肉は、中山間地域における高付加価値商品として需要が期待できる。しかし、現在の「平飼い」の飼養方式は、床面に産み落とされた巣外卵の汚染やコクシジウム症等の衛生上の問題、ケージ飼養と比較した場合の生産性の低下等の問題がある。そこで、家畜の福祉を重視して飼養基準を設定しているEUの平飼い方式を参考に新しい「平飼い」形式の検討を行う。今年度は前回に実施した試験結果から、生存率の向上のために、収容羽数の条件や鶏舎構造の改善等について検討した。 2.方法: (1)供試鶏:国産F1鶏(家畜改良センター岡崎牧場からYA×XSのひなを初生で導入し、自家育すう) (2)試験期間:平成17年8月11日~平成18年11月24日予定(13~80週齢) (3)試験実施方法:平飼い区として実証鶏舎(鶏舎サイズ:160×476×206cm)で供試鶏を45羽(飼養密度:5.9羽/m2)飼養した。対照区として低床式鶏舎の単飼ケージで供試鶏を25羽飼養した。その他の飼養方法については、両区とも当センターの飼養慣行に基づいて行った。 (4)調査項目:生存率、産卵率、卵重、飼料摂取量、血液性状・成分、羽毛の状態、自然免疫力 3.結果の概要: (1)平飼い鶏舎への収容羽数を設置している餌樋の長さから検討し、中型の採卵鶏で1羽当たり14cm以上必要であることから、供試鶏が中型よりも大きいことを考慮して、1羽当たり15cmで設定、収容羽数を45羽とし、合わせて、餌樋への補助スロープ、突き遊具を設置したところ(図1)、13~20週齢の育成期間では、導入から2週間の馴致期間に4羽に悪癖による軽度の外傷をみたが、育成率は100%と良好であった。 (2)体重は、開始時の13週齢を除いて、平飼い区が軽くなった。 (3)産卵開始日齢及び50%産卵日齢は、平飼い区ではそれぞれ131日齢、149日齢と対照区より遅くなった。 (4)産卵率は、平飼い区では産卵開始日齢及び50%産卵日齢が遅かったため、21~24週は対照区と比較して低くなったが、週を追うごとに上昇し、29~32週では87.6%と対照区と遜色なくなった。 (5)飼料消費量は、13~20週齢の育成期間では平飼い区が少なかったが、産卵開始してからの21週齢以降は平飼い区が多くなった。 4.今後の問題点と次年度以降の計画:飼養試験を継続するとともに、この形式での産卵箱の条件について、採卵鶏の行動や環境条件を調査し、最適条件を検討する。 5.結果の発表、活用等:京都府畜産技術センター研究成績3号(2006)に掲載予定 |
研究対象 | 採卵鶏 |
専門 | 飼養管理 |
部門 | 鶏 |
カテゴリ | 高付加価値 飼育技術 中山間地域 鶏 |