課題名 | 連年安定生産化に向けたカンキツ経営方式の確立 |
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研究機関名 |
和歌山県農林水産総合技術センター農業試験場 |
研究分担 |
栽培部 |
研究期間 | 継H15~19 |
年度 | 2005 |
摘要 | [内容]カンキツ経営では、隔年結果により生産量・価格が大幅に年次間変動し、これによる経営の不安定化と収益性の低下が大きな問題となっている。本研究では、隔年結果をもたらす園地・経営条件を解明し、効率的な技術導入のための基礎資料とする。 [本年度の結果概要]1.農家の隔年結果に対する意識と隔年結果の対策の実施状況を明らかにするため、アンケートを2004年6月~9月に実施した。対象は、和歌山県旧金屋町、香川県坂出市、愛媛県砥部町、山口県旧橘町、愛媛県旧中島町、静岡県旧三ヶ日町の合計1,480人(回収率61.9%)である。2.農家がこれまでに取り組んだ隔年結果対策は、「整枝・剪定」「施肥」「間伐・縮伐」「改植」「慣行摘果」「葉面散布」「土壌改良剤・有機物」等の慣行的な是正技術が上位を占める。今後の取り組みの意向をみると、これらの慣行技術に加えて「樹冠上部摘果」「後期重点摘果」など隔年結果是正と高品質生産を両立する技術の導入希望が多い。3.農家がこれまでに取り組んだ経営改善対策は、「ウンシュウミカンの品種更新」「品種転換(ウンシュウ→ウンシュウ以外のカンキツ)」「ウンシュウミカンの面積拡大」「モノレール導入」「マルチ栽培の導入・拡大」「作業道導入」などである。今後農家は「経費のかかるもの」や「規模拡大に関わるもの」「既に取り組み済みのもの」などには消極的である。農家は経営対応として、これまで取り組んだ品種の更新・転換や省力化に加えて、低コスト化、高品質化、販売対応の工夫などを目指している。4.隔年結果是正対策の問題点として指摘が多いのは「期待する販売金額が得られない」「手間が足りない」「単価の見通しがつかない」「対策技術が難しい」「気象の見通しがつかない」「資材・経費が高い」などである。このことは、1)是正対策が高品質生産・高価格販売の産地戦略に結びつくこと、2)対策技術に省力性、使いやすさ、低コスト、安定性が求められること、3)普及・広報が必要なことなどを示す。 |
研究対象 | 温州ミカン |
専門 | 経営 |
部門 | 果樹 |
カテゴリ | 温州みかん 改植 規模拡大 経営管理 省力化 施肥 低コスト 土壌改良 品種 その他のかんきつ |