品種・母本の遺伝子データベース構築による果樹育種の効率化

課題名 品種・母本の遺伝子データベース構築による果樹育種の効率化
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 果樹研究所
研究期間 新H18~22
年度 2006
摘要 目的:遺伝形質の品種毎のグラフィカルデーターベースを構築し、育種目標実現確立の高い交雑組み合わせ選定の効率化を図る。結果:(2)葯培養とウイルスベクター技術を用いたリンゴ新育種システム構築:(i)「千秋」花粉由来の開花個体である「92P3」は、生育は材料親である「千秋」に比較すると、発芽期は同じであるが、展葉、開花始、開花盛では2~5日遅く、既存品種の中では最も遅かった。「92P3」は「千秋」と比較し葉身長や果実の大きさ等の形質が小さかった。(ii)「千秋」花粉由来の開花個体である「92P3」は花粉稔性が無く、花粉親としては利用できなかった。「92P3」を種子親とした交配では「千秋」との組合せで3ケ「Prima」との組合せで2ケの種子を獲得したが、発芽・生育しているのは「92P3」×「Prima」の後代2個体のみである。ApplePlusによる受精促進効果は確認できなかった。(3)DNAマーカーを利用した品種判定および親子判定法の開発:(i)モモ育成系統について親品種の確認を行うとともに、モモ遺伝子型データベースにデータを蓄積するために、SSR分析を行った。育成系統である「モモ福島9、10、11号」の遺伝子型を交雑の両親の遺伝子型と照らし合わせた結果、矛盾がないことが確認できた。(ii)「MinimalMarker」プログラムから、モモの品種判別が可能な最少マーカーセットを選抜した。選んだマーカーセットの検証から、本マーカーセットが品種判別の最少マーカーとして使用できることが確認でき、時間とコストを削減できることが示唆された。(iii)SSRマーカーを用いた品種判別法を用いて、交配親が不明な「14-50」の親子判別を試みた。その結果、育成系統である14-50の両親が「日の出」×「新星」であることが確認できた。SSRマーカーを用いた解析が、ナシにおいても有効であることが確認できた。(4)PCR-RFLP法を用いたナシS遺伝子型の判別法の開発:受粉用として輸入されている中国ナシの花粉(雪花梨)が、ニホンナシのS遺伝子を有するかRFLP-PCR法を用いて確認したところ、雪花梨のS遺伝子は、現在までに報告されている9種類のニホンナシS遺伝子と異なることが確認できた。(5)ナシ黒星病抵抗性品種を判別するDNAマーカーの探索:(i)黒星病抵抗性品種を育成するため、実生集団の黒星病接種試験を行い、各個体の黒星病抵抗性の判定を行ったところ、実生集団から中国ナシ「紅梨」と、西洋ナシ「ラフランス」に由来する黒星病抵抗性遺伝子を有すると期待される個体を46個体選抜することができた。(ii)黒星病抵抗性を有する育成系統を親に用いて、抵抗性品種を育成するために、育成系統の黒星病に対する抵抗性を確認した。「14-50」、「18-6」は黒星病抵抗性を有する有望系統と推察されるが、果実品質等の改善が必要であるため、両系統を交配親に用いた交雑により、後代を獲得した。
カテゴリ 育種 黒星病 コスト 受粉 西洋なし 中国なし データベース DNAマーカー 抵抗性 抵抗性遺伝子 抵抗性品種 品種 もも りんご

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