課題名 |
花き類の高精度生育制御技術の開発 |
研究機関名 |
奈良県農業総合センター
|
研究分担 |
花き栽培
|
研究期間 |
継H16~18 |
年度 |
2006 |
摘要 |
切花ギクの適期出荷、切花バラの省力化と増収、鉢花・花壇苗の高付加価値化のため、より精度の高い生育制御技術を開発することが目的。1.切花ギクの無側枝性発現の制御では無側枝性ギクはハウスの高昼温管理により、サイトカイニン内生量低下を通じ、春期でも無側枝性を発現できることが明らかとなった。また、高温の経過歴が低温期の無側枝性発現の強弱に影響することが明らかとなった。無側枝性発現にはサイトカイニン内生量だけでなく、感受性と温度履歴との関連を検証する必要がある。また高温以外の要因がサイトカイニン内生量に影響しているかは不明のままである。外生サイトカイニンに対する感受性変化の要因検討、感受性と処理時気温との相互関係、温度前歴による無側枝性発現の変化を確認することが必要である。2.切花ギクの開花斉一化技術の検討においては8月咲き小ギクに対する開花遅延効果は、供試品種と供試薬剤との組み合わせによって異なり、薬剤処理から開花日までの日数のかかる品種ほど薬剤処理の効果が低下する傾向が見られた。また、定植後無摘芯とすることで、開花が1~3週間程度早まり、定植後の栽培期間が短縮され、ほとんどの品種で切り花長が長くなった。9月咲き小ギクに対する薬剤散布の効果は不明瞭であり、無摘芯区では摘芯区に比べ切り花長が短く品質が劣った。無摘芯区では摘芯区に比べ開花がさほど前進することもなく、品種によっては開花のばらつきがやや大きくなる傾向が見られた。今後は、苗・穂木の冷蔵処理や、親株管理法の差異から、小ギクの開花の斉一化を検討する必要がある。3.切花バラの低コスト栽培技術の検討では生産現場では石油価格の高騰により、冬季の省エネ対策が求められている。暖房経費を節約しながら品質低下を回避し、現在と同等以上の品質・収量を得ることのできる生産技術の開発が求められている。バラの密植栽培技術の検討が必要である。4.高付加価値型鉢花の商品化にむけた生育制御技術の開発では、給水中の溶存酸素濃度を高めるほどシクラメンの生育は良好で、開花は促進され、根の生育も良好になる。さらに、光触媒シートを敷設した栽培ベンチ上には藻類の繁殖がほとんど見られず、清掃の手間を省く事ができる。炭酸ガス施用と施肥濃度を高めることによりシクラメンの生育が促進される。観賞時の開花数や黄化葉の発生率は炭酸ガス施用区で改善され、樹液中の糖濃度は生産時~観賞時にかけて10~20%高く推移し、硝酸態窒素濃度は品質の低下と共に増加し始める。糖濃度や硝酸態窒素濃度を指標にすることにより、鉢花の内部品質評価の可能性が示唆された。さらに、炭酸ガス施用の効果を最大に発揮するための養水分管理技術と非破壊による品質評価技術を検討する必要がある。
|
カテゴリ |
管理技術
高付加価値
栽培技術
シクラメン
出荷調整
省エネ・低コスト化
省力化
施肥
低コスト
ばら
繁殖性改善
評価法
品種
薬剤
|