課題名 |
十勝畑作地帯における有機輪作体系の確立 |
研究機関名 |
北海道立十勝農業試験場
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研究分担 |
栽培環境科・病虫科・ 栽培システム科
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研究期間 |
継H19~22 |
年度 |
2007 |
摘要 |
a.試験目的 高付加価値化が見込める畑作3品(ばれいしょ、小麦、大豆)の有機畑輪作の有効性と肥培管理法を明らかにするとともに、有機栽培土壌の性状変化(物理性、化学性、生物性)を明らかにする。また、有機栽培における病害虫の被害査定と被害軽減対策、さらに機械除草方法を検討し、畑作有機輪作体系を確立する。、b.試験方法(a)有機輪作体系における地力の推移と維持方策 (1) 対象作物:馬鈴しょ「さやあかね」、大豆「トヨハルカ」、春まき小麦「春よ恋」(2) 堆肥等有機物の施用効果:施肥標準区、施肥標準+堆肥施用区、施肥標準+堆肥倍量区 (3) 緑肥の導入効果:緑肥導入区、対照区(無緑肥)(b)畑作物有機栽培における養分供給手法 病害抵抗性、穂発芽耐性、製パン性に優れる春まき小麦の子実蛋白向上のための窒素施肥法を検討する。(1) 供試品種:「春よ恋」、「北見春67号」(2) 試験処理:追肥処理の有無等。 (c)畑作物有機栽培における病害虫の被害査定と被害軽減対策 (1)有機栽培における病害虫の発生と被害査定:小麦の赤かび病、大豆のタネバエ、有機畑輪作圃場のネグサレセンチュウ密度 (2)小麦の赤かび病対策試験:有機小麦では、赤かび病によるDONと赤かび粒率の基準をクリアするために、比重選別を行うことを前提とするが、さらに赤かび病被害を少しでも軽減しうる資材を探索する。 (d)畑作物有機栽培における除草方法 有機栽培における春播小麦の機械除草体系を検討するため、栽植様式(30cm条播、ドリル播種)に対応した除草機械(30cmカルチ、スプリング除草ハロー)について、処理開始時期3水準、処理間隔2水準を組み合わせて処理を行い、残草量調査及び小麦の生育収量を調査する。、c.結 果:ア) 春まき小麦は慣行に対し有機で24%減収したが、堆肥施用は減収を10%以下に抑えた。タンパクは許容範囲(10.0%以上)であったが基準値(11.5%以上)には達しなかった。ばれいしょは慣行と有機で同程度の収量が得られ、堆肥施用により増収するが規格外収量や2次成長が増え、ライマン価が低下した。大豆は慣行に対し有機で20%以上減収し、この理由は主にマメシンクイガ被害によるくず子実率の増加によるものであった。イ) 春まき小麦の収量・タンパクは、有機質肥料の増肥より堆肥施用により顕著に増加した。ウ) 有機栽培春まき小麦の赤かび病に対する品種間差を調べたところ、発病小穂率は「ハルユタカ」>「春よ恋」>「はるきらり」の順であったが、整粒のDON濃度では「はるきらり」が唯一暫定基準を下回った。一方、赤かび病に有効な資材は認められなかった。エ) 有機質肥料4種類のうち、魚粕施用区でタネバエによる大豆の被害が大きかった。オ) シロザは多処理・早期処理により残草量を減らせた。タデ類は30cm条播では多処理により残草量が減った。非イネ科雑草全体では、30cm条播では多処理・早期処理により残草量が減少したが、ドリル播種では処理回数、時期による差は明瞭ではなかった。
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