浜通りにおける野菜・花き類の安定生産技術の確立

課題名 浜通りにおける野菜・花き類の安定生産技術の確立
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 浜地域研究所
研究期間 継H18-22
年度 2007
摘要 目的:浜通り独自の園芸作物の生産技術、生産体系の確立のための技術開発が求められることとなる。また、県オリジナル品種についても同地域での栽培法を確立することは、県オリジナル品種の振興に直接結びつくものであり、同時に、同地域の園芸振興の一役を担える。、結果:(1)アスパラガス1年株の生育は、浜地域、本部、会津地域による株養成期間の生育に大差はなく、刈り取り時の根株重、SGI値は会津地域が高かった。2年株の生育を見ると、浜地域は会津地域に比べ茎数及び平均茎径は優ったが、根株重や株養成量は劣った。病害の発生は、会津地域に比べ茎枯れ病の発病株率は低く、斑点病の発病株率は同等であった。2年株の収量は春から秋にかけて約760g/株であった。露地アスパラガスの茎枯れ病対策として、2年株の早期立茎及び敷き藁による耕種的防除を検討した。トンネル被覆による早期収穫では、3月上旬被覆が23日、4月上旬被覆は9日程収穫開始が早まった。2年株は、春の収穫切り上げや立茎の時期が早いことから、早期立茎による病害発生の確認はできなかった。また、敷き藁は、地際部で茎枯れ病の発生を助長する可能性があることがわかった。(2)リンドウ2年生株の採花時期および切り花品質を調査したが、「ふくしまさやか」は採花盛期7月29日、2L・L割合が高く、切り花本数1株当たり1~2本、「ふくしましおん」は採花盛期8月19日、2L・L割合が高く、1株当たり2~3本の切り花が可能であった。一方の「ふくしまみやび」は、採花盛期が8月1日であったが、草丈が短く75%が規格外となった。2年生株の越冬芽が10~15%程度枯死した品種は、「ふくしまさやか」のポット苗・セル苗、「ふくしましおん」のポット苗、「尾瀬の夢:極早生」のセル苗であった。また、1年生株で抽台した品種は、「ふくしまみやび」80%、「尾瀬の夢:極早生」11%のみであった。県オリジナル普及品種(ふくしまみやび、ふくしましおん、尾瀬シリーズ)に対する定植4週間後のジベレリン処理は、従来の定植時処理より生育が旺盛で越冬芽茎径が優った。、(3)イチゴの高設栽培では、果梗折れにより食味が低下する場合があるため、県オリジナル品種を定植(慣行植え、ベット端横植え、培地山盛り斜め植え)し果梗折れ軽減効果を検討した。県オリジナル品種は、定植方法による果梗折れの差異はなく収量への影響も殆どなかった。(4)秋冬ブロッコリーの大規模栽培では、圃場内の生育を揃え収穫の斉一化により作業効率を高めることが課題である。そこで、乾燥に強い苗質、生育や収穫の斉一化を目的とした育苗法を検討した。セル苗に定植1週間前から0.3~0.6%の食塩水を灌水すると、高温乾燥下で定植しても初期生育が揃い収穫の斉一性が高まることがわかった。灌水方法による苗の生育は、底面灌水は頭上灌水よりも葉の黄化等の影響が少ないことが分かった。8月中旬以降の猛暑期を過ぎてからの定植では、食塩水灌水の効果は小さかった。また、秋冬キャベツのセル苗に、ブロッコリーと同様の食塩水を灌水したが、苗の耐干性は高まり、高温乾燥条件下で定植した場合に球重が重くなり収量が向上した。食塩水灌水では、苗の黄化や収量低下などの影響があるため、食塩水の濃度について再検討を要する。(5)業務用キャベツは、浜通り地方の振興品目に位置づけられているが、春まき初夏どり栽培では生理障害や黒腐れ病等が発生しやすいため、3月上旬~5月上旬播きのセル苗定植において収穫期や品質について検討した。3月上旬・下旬播きは、7月上旬から収穫となり黒腐れ病や縁腐症等の発生が少なかった。しかし、4月中旬および5月上旬播きは、7月下旬~8月下旬収穫となり、黒腐れ病や縁腐症が多く発生した。品種別では、YR天空およびエコーは彩里より病害等の発生が少なかった。また、業務用キャベツ栽培では、本年春作より根こぶ病が深刻化したため、その対策として根こぶ病抵抗性品種の検討を行った。根こぶ病の汚染土壌で「多恵」「理念」を栽培したが、これら品種は発病せず、収量・品質も問題ないことがわかった。
カテゴリ アスパラガス 育苗 いちご 乾燥 キャベツ 栽培技術 生理障害 抵抗性品種 春作 品種 ブロッコリー 防除 良食味 りんどう

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