課題名 | f.発酵TMR利用のための大規模生産・調製・流通・給与技術の開発 |
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課題番号 | 2008010584 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,飼料調製給与研究チーム |
協力分担関係 |
シーアイ化成(株) 新明和工業(株) 家畜改良センター (株)那須の農 酪農とちぎ 那須TMR(株) |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2008 |
摘要 | 1)セミコンプリートタイプの材料を用いたロール発酵TMRを細断型ロールベーラにより調製した結果、通常のトランスバッグの発酵TMRに比べて高密度梱包が可能であり、1年経過後も品質が良好に保持されることを明らかにした。クレーン付トラック等でロールベールを垂直に持ち上げ、積み込み・積み降ろしができ、同時に計量可能なロールベール用クランプを開発した。このクランプは市販化される。2)自給飼料生産利用型TMRのための高たんぱく質飼料生産技術として、慣行播種法と同等以上の乾物収量が得られるとうもろこしおよびアルファルファの簡易耕(溝切り耕)による播種法を開発した。この播種法を組み込むことにより、作業時間を45%短縮し、労働の平準化と省力化が可能な改良型とうもろこし・アルファルファ輪作体系を構築した。3)サイレージ発酵用として、Listeria、Staphylococcus、Salmonella、Pseudomonasなどのグラム陽性菌に対し広い抗菌スペクトルを示す新規乳酸菌を発見した。この培養液から新規バクテリオシンを精製するとともに、その分子構造を解析し、発酵が微弱なサイレージでも本乳酸菌添加によりグラム陽性菌の増殖を抑制できることを明らかにした。4)物理的強度と生分解性を兼ね備えるロールベール用生分解性フィルムの開発を民間企業と共同で行ってきた。これまでの知見から最も有望と考えられた粘着剤原料および生分解樹脂との配合比率並びに製造手法により試作フィルムを製造したが、ベールラッパでの密封作業に耐える物理的強度を満たすことはできなかった。この結果、実用的な素材および各種製造手法の組み合わせによる目標到達は困難であると判断されたことに加え、現時点で想定される価格が従来品の3~4倍と見込まれることから開発を中断することとした。5)稲WCSの配合割合を30%までに高めた発酵TMRは泌乳中後期牛の飼料として利用でき、とうもろこしサイレージとの併用では粗飼料割合を45%まで高めることができた。肥育後期の黒毛和種去勢牛に対する稲WCS給与は、給与量の増加に伴い牛肉中のビタミンE含量を増加させ、牛肉のメトミオグロビン割合やドリップロスが抑制される等その保存性を向上させた。飼料米のルーメン内分解特性は品種により異なること、また、処理法では蒸気圧ペン処理が最も分解性が高く、次いで2mm粉砕、挽き割り、発芽米の順であることから、蒸気圧ペン処理した飼料米は牛用飼料のでん粉源として利用性が優れていることを明らかにした。 |
カテゴリ | アルファルファ 市販化 省力化 とうもろこし 播種 品種 輪作体系 |