v.南西諸島における島しょ土壌耕地の適正管理、高度利用を基盤とした園芸・畑作物の安定生産システムの開発

課題名 v.南西諸島における島しょ土壌耕地の適正管理、高度利用を基盤とした園芸・畑作物の安定生産システムの開発
課題番号 2008010619
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,九州研,南西諸島農業研究チーム
協力分担関係 名城大学
沖縄県農業研究センター
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 1)島しょ特有のジャーガル土壌における牛ふん・せん定残さ混合堆肥(沖縄型堆肥)の養分動態を解明するため、ジャーガル土壌における堆肥中リンの溶出率は15~47%で、水溶性の塩基含量との相関が高いが、pHや交換性塩基含量との相関は低いことを明らかにした。2)島しょ特有の土壌における養分動態を解明するために、沖縄県伊江島を対象として水系の硝酸態窒素濃度の季節的変動を調査し、ため池の水は生活排水等の混入により富栄養化していることを明らかにした。一方、地下水の硝酸態窒素濃度は、平均約7mg/Lで季節的な変動は小さいが、雨水が農耕地を浸透するために、ため池よりも高いことを明らかにした。3)沖縄型堆肥の施用技術を確立するために、ジャーガル土壌における堆肥からの窒素放出パターンを明らかにし、秋冬作レタスで施用効果を得るためには、春先に10t/10aを施用する必要があることを明らかにした。4)園芸作における新栽培管理体系の構築に資するために、レタスのチップバーン発生には硝酸イオンが関与し、育苗温度を25/20(昼/夜)℃まで下げることである程度抑制できることを明かにした。レタス生産の粗収益は、沖縄型堆肥の施用技術等を利用した新栽培管理体系の導入により5割増加することが期待できることを示した。5)沖縄県北部の強酸性国頭マージ土壌では堆肥を1t/10a施用することで、そばの収量を200kg/10aまで高められ、そばの地上部残さの被覆により土砂流出を約9割削減できると推察した。6)南西諸島冬期の短日条件に適する早生安定多収そば系統を開発するために、育種初期世代の養成と有望系統の選抜を行った。7)有機資源循環を基盤とした耕畜の広域連携システムの開発に資するため、沖縄県全体で排出されるふん尿から生産できる沖縄型堆肥量は306千t/年と推定するとともに、沖縄本島では都市部の街路樹のせん定残さ等の副資材を農村部へ流通させることで堆肥の生産に不足する木質系副資材量を359t/年まで低減できることを明らかにした。
カテゴリ 育種 育苗 栽培技術 施用技術 そば レタス

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