課題名 | f.ヨーネ病の発症機構の解析と診断技術の高度化 |
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課題番号 | 2008010673 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,ヨーネ病研究チーム |
協力分担関係 |
東京大学 メキシコ・バハカリフォルニア大学 テネシー大学 共立製薬株式会社 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2008 |
摘要 | 1)ヨーネ病の感染発症機構を解明するため、ヨーネ菌のモルモット腹腔内接種実験を行い、接種2カ月後の十二指腸に肉芽腫性病変が出現することを確認した。また、モルモットDNAアレイを用いた解析により、発現が増強あるいは抑制される宿主遺伝子を見出した。さらに、ヨーネ菌の細胞内増殖機構を解析するため、牛M-CSFで誘導した培養マクロファージを用いる手法を確立した。培養マクロファージに侵入したヨーネ菌は、感染の約2週間後から増殖を開始することを明らかにした。2)ヨーネ病とヒトのクローン病を含む炎症性腸疾患との関連を評価するため、ヒトのマクロファージ株THP-1にヨーネ菌を接種したところサイトカインIL-10産生の増加が確認され、ヨーネ菌がクローン病を憎悪させるとの仮説と相反する所見を得た。また、ヨーネ菌およびその菌体抗原と炎症性腸疾患との関連を研究する小動物モデルとして、マウスを用いたトリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)接種による実験的腸炎モデル作出試験を実施し、腸炎の発生を確認した。3)遺伝子組換え抗原を用いたヨーネ病診断法の改良では、抗体検査法としてヨーネ菌のechA組換え抗原が高い特異性を有し精度が高まることを解明した。また、ヨーネ菌の迅速検出法として、従来数カ月間を要した菌培養を液体培養法とし、さらにリアルタイムPCRによるヨーネ菌DNA定量法を組み合わせて、2週間で実施可能な手法を開発した。4)ヨーネ菌や鳥型結核菌の疫学的特徴を明らかにするため、鳥類、家畜、野生動物、ヒトなどから分離された鳥型結核菌の遺伝子型を多型縦列反復配列(VNTR)法により解析し、ヒト由来株の一部に人獣共通病原体である可能性を示唆する菌群が存在することを明らかにした。また、従来のヨーネ菌の遺伝子型別法であるVNTR型をさらに詳細に解析する手法として、ジェネッティックアナライザーによるShort Sequence Repeats(SSR)遺伝子型別のためのフラグメント解析法を確立した。 |
カテゴリ | 診断技術 防除 |