課題名 | d.飼料・畜産物の生産段階における安全性確保技術の開発 |
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課題番号 | 2008010680 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,安全性研究チーム |
協力分担関係 |
北海道立畜産試験場 広島県立総合技術研究所畜産技術センター 農業環境技術研究所 農業生物資源研究所 産業技術総合研究所 社)日本科学飼料協会 愛媛大学 静岡県立大学 香港城市大学 ミシガン州立大学 |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2008 |
摘要 | 1)腸管出血性大腸菌の排菌を抑制する新規生菌製剤を開発するため、牛用生菌剤評価系を検討した。牛ふん便液経口投与により牛腸内フローラを導入したSPF鶏ヒナにおいては大腸菌O157の定着性が改善された。また、本実験系において生菌剤と大腸菌O157を同時に経口投与したところ、O157の排除効果が観察され、本実験系が生菌剤のO157排除効果を評価するためのモデルとなる可能性が示唆された。2)サルモネラの薬剤耐性獲得機構の解析では、牛から分離されたセファロスポリン耐性Salmonella Typhimuriumのうち、薬剤耐性に関与するblaCMY-2遺伝子をプラスミド上に保有する菌では、blaCMY-2陽性プラスミドに複数の遺伝的系統が存在し、また接合伝達性を有する場合があることなどを明らかにした。3)迅速かつ効率良く細菌性食中毒菌を検出する目的で、動物とヒトで重要なサルモネラの5血清型について、特異的遺伝子の多重検出による迅速同定法を開発した。本法は、培養開始から2週間を要した従来法よりもはるかに短い5日間で同定可能であり、その有効性をヒトと動物由来のサルモネラ約3,700株を用いて確認した。4)飼料を汚染するかび毒が家畜に及ぼす影響および畜産物への残留性を評価するため、稲こうじ病病もみを添加した飼料を育成牛へ38日間給与しその影響を観察したが、実験牛に異常は観察されなかった。また、乳汁へのウスチロキシンA残留の有無を解析するため、乳汁中のウスチロキシンAの分析法を確立した。5)環境汚染物質の影響を評価するため、人工フッ素化合物の毒性を分子レベルで解析し、スルホン酸系化合物とカルボン酸系化合物では毒性発現メカニズムが異なり、人工フッ素化合物全体での相対毒性強度は設定できないことを明らかにした。6)飼料汚染かび毒およびダイオキシン類の効率的排除法の開発では、かび毒汚染とうもろこしサイレージを間欠的に撹拌しながら短波長紫外線を照射すると、デオキシニバレノール濃度が15分で20%程度減少することを明らかにした。また、鶏用飼料に炭素系材料を0.5%添加することにより、腹腔脂肪および卵へのダイオキシン残留量が対照群の5%以下に減少することを明らかにした。 |
カテゴリ | 稲こうじ病 加工 生菌剤 とうもろこし 鶏 薬剤耐性 |