(2) 農業生態系機能の発現に関与する情報化学物質の解明

課題名 (2) 農業生態系機能の発現に関与する情報化学物質の解明
課題番号 2008010737
研究機関名 農業環境技術研究所
研究分担 (独)農業環境技術研究所,生物生態系機能研究領域
協力分担関係 長野県南信農業試験場
信越化学工業(株)
研究期間 2006-2010
年度 2008
摘要 1)バラ科植物等が産生する生理活性物質の機能解明 ユキヤナギに含まれるシス-ケイ皮酸グルコシドが示す植物生育阻害活性は、沖積土壌の存在下ではほとんど変動しなかった。火山灰土壌及び石灰質土壌の存在下では1/2~1/10程度まで低下するが、その場合でも、生態系において機能を発揮しうる高い活性レベルにあることを明らかにした。今後、さらに研究を進め、新しい雑草抑制技術の開発や生態系の生物多様性の理解の深化につながる知見を得ることを目指している。2)ノメイガ類等昆虫の増殖に関わる情報化学物質の機能解明 ツワブキノメイガのメスから性フェロモンを抽出し、フェロモン有効成分の候補についてオスの反応性を調査し、オスの誘引活性に必須な3成分を明らかにした。また、ナシマダラメイガの雌成虫から性フェロモンを抽出し、誘引成分を解明するとともに、野外試験で活性成分、比率、担持量、持続期間の検討を行い、発生予察用誘引剤を開発した。3)生分解性プラスチック分解微生物の機能解明 イネ科作物の葉の表面などに生息する1,500 株以上の候補菌株から、特に高い生分解性プラスチック(以下、「生プラ」と略)分解活性を持つ不完全菌類に属するカビ(菌株名47-9)を選抜すると共に、その酵素活性が最も高くなる条件を明らかにした。このカビは、培養液中に高純度で生プラ分解酵素のみを生産する優れた特性があり、この菌の酵素液を市販の培養土の上に敷いた生プラフィルム(PBSA:ポリブチレンサクシネート/アジペート)に散布処理すると、処理後6日間で全体の91.2%(重量換算)が分解された。この成果は、使用済み生プラ製品の分解を促進する新しい技術開発につながることが期待される重要な知見である。
カテゴリ 病害虫 雑草 性フェロモン ばら フェロモン

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