課題名 |
(4)熱帯・亜熱帯における重要病害虫に対する防除管理技術の開発 |
課題番号 |
2009014030 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター
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研究分担 |
(独)国際農林水産業研究センター,熱帯・島嶼研究拠点
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協力分担関係 |
ベトナム南部果樹研究所
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研究期間 |
2006-2010 |
年度 |
2009 |
摘要 |
・ カンキツのグリーニング病の感染拡大リスクと防除技術の評価に有用な、作物病害の拡散動態を予測する個体ベースモデルの骨格部分を構築し、解析を開始した。・ 防除意志決定に意味を持つ感染リスクの季節変動に影響を及ぼす、ベトナム現地におけるミカンキジラミの個体群変動の実態を明らかにした。・ キングマンダリンの生育初期防除と初期生育確保が収益の確保に重要である根拠として、感染時期が早い樹ほど幹肥大が抑制されること、発病していても軽症株の収量の絶対値は適切な肥培管理により増加することなどを明らかにした。・ 防除技術コンポーネントの一つとしてのグアバ混植の生育初期防除効果の検証を行い、感染リスクが低い条件下では薬剤防除と同等に近い効果が得られることを確認した。・ FAO等により既に寄生峰放飼が行われていたタイやベトナム南部で、定点観測によるキムネクロナガハムシ(Brontispa longissima Gestro)密度等の野外調査を実施した結果、寄生蜂放飼後の被害は低減傾向にあることを明らかにした。・ 寄生蜂(Asecodes hispinarum)の寄主探索行動について、雌成虫にココヤシの健全葉、ハムシに食害された葉及び人為的に傷を付けた(機械傷)葉を用いて選択実験を行った。その結果、雌成虫は、ココヤシの健全葉や機械傷葉よりもハムシに食害された葉を有意に選択した。このことから、この寄生蜂はハムシ幼虫が食害したココヤシ葉の匂いを頼りに寄主を探索する可能性が高いことが明らかになった。・ ハムシのmtDNA解析により、これまでハムシの原産地として考えられていたインドネシア国内に原産地系統と東南アジア系統の個体群が存在することが明らかになった。・ 人工飼料の改良により、更にハムシの羽化率を上げることができた。また、これまで材料としていたココヤシ新葉乾燥粉末に代え、材料調達を容易にする目的から、ココヤシ成熟葉又はオーチャードグラス乾燥粉末を利用してハムシの人工飼料育を試みたところ、これらの組成でも羽化成虫を得ることに成功した。さらに、人工飼料育により得られたハムシ幼虫と蛹を寄主として、2種の寄生蜂を飼育したところ、Asecodes hispinarumの羽化率は平成20年度の40%強から75%に上昇し、Tetrastichus brontispaeも60%の羽化率を得ることができた。
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カテゴリ |
亜熱帯
害虫
乾燥
管理技術
季節変動
グアバ
肥培管理
防除
薬剤
その他のかんきつ
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