u.中山間・傾斜地における環境調和型野菜花き生産技術の開発

課題名 u.中山間・傾斜地における環境調和型野菜花き生産技術の開発
課題番号 2009013889
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,環境保全型野菜研究チーム
協力分担関係 兵庫県立農林水産技術総合センター農業技術センター
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)天敵ショクガタマバエを利用したバンカー法によるアブラムシ防除対策について、生産規模のなす夏秋栽培ハウスで実証試験を行い、バンカー植物としてのソルゴー、代替餌としてのヒエノアブラムシを準備する時期をなす定植直後とし、ワタアブラムシ密度が急上昇する時期(6月下旬)の約30日前にショクガタマバエを導入することでアブラムシ増殖を抑制できることを明からにした。ショクガタマバエはバンカーから少なくとも13mの距離までは有効であった。2)紫外線を吸収して波長域300-400nmの紫外線透過を約半分にし、吸収した光を可視光の蛍光に変換する特性を有する施設展張用フィルムについて、展張半年~数年後の光質変換能の低下の程度を示した。この光質変換資材や紫外線カット資材を用いると、特に強日射の時期に野菜類の生育が促進されるとともに、アブラムシ類の侵入が抑制されることが明らかとなった。しかし、経年劣化により紫外線や青色光の透過率が上昇するとその効果が小さくなる傾向があり、紫外線カット資材では3~4年連続使用しても一定の効果が見込めるのに対し、光質変換資材では効果低下がより早い可能性があった。3)開発した気化潜熱を利用して培地温度を低コストに冷却できるいちご高設栽培装置を使用して、連続出蕾性と収量性を両立させる定植後の培地温度は平均20~23℃であることを明らかにした。また、品種「さちのか」で頂果房の収量性を維持しながら一次腋果房の出雷を2週間以上前進できる肥培管理法を明らかにした。4)ほうれんそうの萎ちょう病抑制に有効なカラシナ等のすき込み還元処理において、その土壌で栽培したカラシナをすき込んだ場合と他ほ場で栽培したカラシナを持ち込んだ場合、前者の発病軽減効果がより大きく、土壌微生物相を糸状菌の18S rDNAのDGGE(変性剤濃度勾配ゲル電気泳動)パターンに基づいてクラスター解析した結果でも両者のクラスターは分かれたので、土壌のeDNA解析による土壌微生物相解析手法は有効な手法の1つと見なせた。さらにeDNA解析による土壌中のネグサレセンチュウ検出法は慣行のベルマン法よりも高感度であり、後者では検出できない10個体程度/20g乾土以下の密度でも検出できることを明らかにした。5)開発中のペレット有機物の局所施肥機において速度連動施肥システムの「入力・表示ECU」を改良し、繰り出しロールの回転数を計測表示する機能を付加した。6)高軒高傾斜ハウスにおける省力管理技術においては、高設栽培ベッドはベッドの高さにより定植作業能率などが異なり低段密植栽培では誘引作業の省力化の可能性が高いことを示した。自動防除については地上走行式は適用困難であり、定管配置あるいはより簡易な自動化装置が有効と判断した。7)業務用赤しその生産で収穫作業に伴うシソ青枯病の二次伝染が問題となっており、これを化学農薬を用いずに防止するため、収穫機刈刃を電熱ヒータで加熱して殺菌する機構を開発した。刈刃押さえ板加熱方式ではマイクロシースヒータを利用することで合計1.3kWの容量で90℃以上を確保できる見込みが得られた。この機構を登載した電動台車利用収穫機(試作機)の現地実証を行い良好な結果を得た。8)きく切り花の一斉収穫体系技術について、刈り取り・搬送機構を走行部に搭載した実験機を製作し、品質を低下させない刈り取り機構の仕様を把握した。また、収穫機と搬送台車を組合せることによる作業能率向上(作業時間50%減など)を確認した。開発した収穫機の基本的な機構に関する特許を出願した。
カテゴリ 病害虫 青枯れ病 いちご からしな きく 傾斜地 経年劣化 栽培技術 しそ 収穫機 省力化 省力管理技術 施肥 中山間地域 低コスト なす 農薬 ひえ 肥培管理 品種 防除 ほうれんそう わた

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