a.新興・再興人獣共通感染症病原体の検出及び感染防除技術の開発

課題名 a.新興・再興人獣共通感染症病原体の検出及び感染防除技術の開発
課題番号 2009013939
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,動衛研,人獣感染症研究チーム
協力分担関係 帯広畜産大学
北里大学
静岡県立大学
鹿児島大学
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)アジアを中心に流行が続いている病原性が極めて高いH5N1型高病原性鳥インフルエンザウイルスの成鶏に対する病態変化について検討し、このウイルスは鶏のマクロファージと血管内皮細胞で急速に増殖し、発熱とサイトカイン産生を破綻させつつ鶏を短時間で殺すことを明らかにした。これら病原性にはNPとPB2のウイルスたんぱく質が関与することを明らかにした。2)あらゆる亜型のウイルスを持ち、高病原性鳥インフルエンザの伝搬源として重要な野鳥のモニタリング検査に有効な検査法として、鳥インフルエンザウイルスの全てのHA亜型及びNA亜型を短時間で判定するRT-PCR法を開発した。また、家畜防疫上重要で行政部局から要望が強いNP遺伝子及びH5亜型を検出するためのリアルタイムRT-PCR法を開発した。今後、国と協力して普及を図る予定である。3)鳥インフルエンザウイルスの淡水(湖水)中での保存性を検証し、4℃では少なくとも56日間以上ウイルスの感染性が維持されることを突き止めた。4)豚インフルエンザウイルスの分離にインフルエンザに通常使われる発育鶏卵を使うと豚由来の新規ウイルスのヒトへの伝搬性の推測に重要なHAたんぱく質のレセプター特異性が変化することを明らかにし、発育鶏卵は豚インフルエンザの分離に不適であり、MDCK細胞による分離が最適であることを明らかにした。5)蚊の定点調査を実施し、農場周辺のフラビウイルスの保有状況について明らかにした。また、日本脳炎ウイルス及びウエストナイルウイルスに関して蚊体内のウイルス増殖を明らかにするための定量RT-PCR法を開発した。6)E型肝炎ウイルスの構造たんぱく質を遺伝子発現により作製したウイルス様粒子の感染防御効果について検証し、1回の経鼻投与によって感染防御効果が得られることを明らかにした。7)殺バベシア原虫たんぱく質の1つである血液凝固阻止作用を有するロンギスタチンをマダニから単離し、マダニ体内での発現動態を明らかにした。また、バベシア原虫媒介に関連するたんぱく質としてマダニ唾液腺で産生されるヘマンギンは血管新生抑制作用を有し、マダニの吸血消化行動に必須であることを明らかにした。当該分子は血管新生を抑制することから、癌の増殖や糖尿病の網膜症等の治療薬開発の創薬候補分子への発展性も考えられる。8)平成21年2~3月に愛知県で発生したうずらの高病原性鳥インフルエンザに際して、緊急病性鑑定としてウイルス検出・型別判定など迅速な対応をとり、平成21年度を通して農林水産省、愛知県、関連機関と協力することによって平成21年5月の終息と感染経路の究明に寄与し、報告書の取りまとめに貢献した。
カテゴリ 防除 モニタリング

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる