| 課題名 |
b.寒冷地における未利用作物残さ等のカスケード利用技術の開発 |
| 課題番号 |
2009013957 |
| 研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構
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| 研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,東北研,寒冷地バイオマス研究チーム
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| 研究期間 |
2006-2010 |
| 年度 |
2009 |
| 摘要 |
1)高純度米セラミドの擬似移動層クロマト分離技術による連続製造技術の開発と、分子種ごとの連続分離技術に成功した(特許申請予定)。玄米貯蔵による米中のトコトリエノール(T3)の減少メカニズムを検討し、T3は貯蔵中に2段階の酸化分解が起きていると推定した。T3の合成に必須なHGGT遺伝子は、ぬか中で葉の200倍の発現量があることを明らかにした。また、ビタミンEが稲において穂で合成されていることを初めて明らかにした。2)雑菌汚染に強い白色腐朽菌を用いることにより、低コストで低強度滅菌(80℃15分、常圧)稲わら及び非滅菌稲わらの糖化率とTDNを上昇させることができることを明らかにした。稲わら等農産廃棄物のセルロースのフルフラール類への変換は、ギ酸-塩酸(塩化カルシウム)-トルエン系で高い収率が得られる可能性があることを明らかにした。3)なたねのエネルギー利用を目指し、大粒の6個体、高エルシン酸突然変異の9個体を選抜した。暖地、温暖地向け「東北96号」は、岡山県笠岡市で「ななしきぶ」に比較して27%の多収を示した。4)省エネ化した新たな播種作業体系によるなたね生産では、収量の低減はないことを明らかにした。5)機械収穫作業の燃料への未変換なたね油利用により軽油消費量が削減されたことで、直接投入エネルギーに対する獲得エネルギーの比が大きく向上することを明らかにし、なたねを導入した水田輪作体系の省エネ効果を実証した。6)雫石町、西和賀町の現地調査結果から、なたね導入による耕作放棄地の耕作再開には地力回復等に大きな投資が必要で、耕作再開を進めるにはコストが障壁となること、油かすを求める農業者は80円/kg程度の価格を受容すること等を明らかにした。7)システムダイナミックスを用いて、水田由来バイオマスの利用モデルのプロトタイプを作成し、特になたねの生産ポテンシャルについては、一定条件の下で20年後に水田転換畑の直接投入エネルギーの20%を未変換なたね油で賄うための条件を推計した。
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| カテゴリ |
コスト
省エネ・低コスト化
水田
低コスト
なたね
播種
輪作体系
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