b.草地生態系の持つ多面的機能の解明

課題名 b.草地生態系の持つ多面的機能の解明
課題番号 2009013966
研究機関名 農業・食品産業技術総合研究機構
研究分担 (独)農業・食品産業技術総合研究機構,畜草研,草地多面的機能研究チーム
協力分担関係 信州大学
北海道大学
法政大学
(独)農環研
特定非営利活動法人阿蘇花野協会
財団法人阿蘇グリーンストック
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1)人為環境要因と半自然草地(ススキ優占草地)の植生遷移との関係を解析するために、遷移確率を利用した遷移予測モデルを作成し、ススキ優占草地の放棄、刈り取り、放牧処理時の長期植生変動を予測した。ライジングプレートメータを用いた草量推定に周期性関数を導入した関係式を作成し、生存部量の推定精度を平均二乗誤差(RMSE)で65gDM/m2から37gDM/m2へ大幅に向上させた。全国の放牧草地が、環境や管理要因(気温、降水量、放牧圧、施肥量)を取り込んだトレンド除去規範的符号分析(DCCA分析)により、寒地型、暖地型、高放牧圧型、低放牧圧型の4つの異なる集団から成ることを明らかにした。阿蘇地域における草原の刈り取り時期が植生に及ぼす効果を明らかにした。立地や管理条件から優占種を推定するモデル、及び絶滅危惧植物種の分布を立地・気象条件から推定するモデルを構築した。放棄草地跡の樹林地から草原を再生するためには、間伐と下刈りの組合せで地表の相対光量子密度20%以上を維持することが有効であることを明らかにした。2)那須研究拠点藤荷田山のススキ草地では火入れ区と放任区で土壌中の菌根菌相に違いは見られないことを明らかにするとともに、ポット試験の結果により菌根菌とミミズの共存は牧草の生育に関して相乗効果があることを示した。3)草地に生息する昆虫、鳥類、哺乳類について、その特徴及び種多様性の保全に果たす草地の維持・管理の役割を明らかにし、草地管理指標-草地の草地多面的機能編にとりまとめた。草地におけるダニと野生シカの相互作用を解析し、野生シカの牧場侵入が小型ピロプラズマ原虫の宿主となるダニ密度の増加をもたらし放牧牛における小型ピロプラズマ病の発生リスク要因となることを明らかにした。4)シバ型草地(半自然草地)では、人工草地に比べ、降雨流出率、ピーク流出量ともに大きいことを明らかにした。また、長さ10m程度の裸地部を有する草地斜面では、3m程度の牧草帯を残存させることで、降雨・土壌の流出抑制が可能であることを明らかにした。5)草地が関わる地球温暖化ガスのうち、メタンはスラリーと化学肥料を散布する草地で発生したが、堆肥と化学肥料を散布する草地では吸収すること、亜酸化窒素発生量は両者で同等であることを明らかにした。草地更新直後に大きな二酸化炭素放出が見られ、72時間以内には低下することを明らかにした。1990年時点における我が国の草地分布図と土壌炭素分布図を作成し、土壌炭素賦存量を見積もった。集約酪農地帯の草地がアンモニアの受容体として働いていることを明らかにした。
カテゴリ 肥料 寒地 シカ 施肥 乳牛

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