課題名 | e.農業・農村の持つやすらぎ機能や教育機能等の社会学的解明 |
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課題番号 | 2009013969 |
研究機関名 |
農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究分担 |
(独)農業・食品産業技術総合研究機構,近農研,農業・農村のやすらぎ機能研究チーム (独)農業・食品産業技術総合研究機構,中央研,農業・農村のやすらぎ機能研究チーム |
研究期間 | 2006-2010 |
年度 | 2009 |
摘要 | 1)農業体験学習活動に参加している児童の作文の形態素解析と単語の係り受け解析に基づき、児童の73%が使う形容詞「うれしい」が、活動全般ではなく、栽培の成功による収穫や給食及び家庭での他者からの肯定的評価に起因していることを指摘した。これに基づき、「成し遂げる」ことを身につける教育的効果やこれに伴う「達成感」等の発現の具体的プロセスを明らかにする方法として、単語の係り受け関係が利用しうることを示した。2)園芸福祉への農業者の関与が求められているが、福祉の関係者は障害者の自立支援に役立つ具体的な経済的・社会的効果を求め、農業者は農業のもつやすらぎ機能による身体的・心理的効果を期待しているという認識の違いがあり、これが連携における課題となって試行錯誤を要していることを茨城県における認定農業者グループと社会福祉協議会との連携事例に基づいて解明した。また、両者の相互理解の促進には、役割の明確化と専門家の関与など、協働のための仕組みが必要となることを指摘した。3)都市住民の農村居住による生活の質の向上効果の解明に向けて、20年度に構築したプロトタイプモデルを補完する目的で聞き取り調査を行い、集落の慣習の違いが移住後のネットワークの形成に、ひいては農村居住による生活の質の向上に影響していることを、宮城県、山梨県、京都府における移住者への聞き取りに基づいて解明した。また、移住の促進に関わり、農村移住・就農支援のコーディネーターは、農村側からは若中年者の就農支援を期待され、都市住民からは半農半X的な生活の支援を求められていることを指摘した。4)機能発揮の場としての農作業体験の一形態である援農について、NPO法人による都市部での運営事例(回答者37名)に基づき、都市住民の参加の動機が、農業支援、体験・学習、リクリエーション、農園の利用待ち、社会参加と多様であること、体験・学習という動機に起因している参加目的のうち、「土いじり」は満足度が高いが、「農作業体験」では目的意欲と満足度との乖離が大きいという運営面の課題があることを解明した。 |
カテゴリ | くり 就農支援 |