(2)昆虫の乾燥耐性機構の解明と利用技術の開発

課題名 (2)昆虫の乾燥耐性機構の解明と利用技術の開発
課題番号 2009013991
研究機関名 農業生物資源研究所
研究分担 (独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,乾燥耐性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,乾燥耐性研究ユニット
(独)農業生物資源研究所,昆虫科学研究領域,乾燥耐性研究ユニット
協力分担関係 国立大学法人鹿児島大学
研究期間 2006-2010
年度 2009
摘要 1.乾燥によって発現が誘導される遺伝子 (PvTps, PvTpp, PvTret1, PvAqp1) の転写開始点5’上流域の塩基配列の決定を行った研究を継続して、クリプトビオシス誘導時特異的転写制御系の解明を目指した。乾燥誘導される遺伝子群は、活性酸素によっても発現が誘導されるので、活性酸素によって作動する遺伝子発現調節系に関与する転写因子の同定を行った。同時に、活性酸素応答性エレメント (ARE)が上記の遺伝子上にも存在するか調査した。乾燥によって発現が誘導される遺伝子すべての転写開始点5’上流域には、少なくとも1つ以上のARE様の配列が存在していた。また、AREに結合する転写因子であるNrf2とそのco-factorであるMaf-s、さらにNrf2の活性調節因子であるKeap1のクローニングに成功した。2.乾燥耐性関連遺伝子のin vivo 機能解析を行うため、RNAi法を試みたが充分な効果を得られなかった。そこでトランスジェニックネムリユスリカの作出を開始した。DNA導入方法としてはエレクトロポレーション法がより短時間で多くの(300-1,000個)卵を処理でき、最適条件(375V/cm ; 950uF)で50%以上の生存率を確認できた。3.ネムリユスリカのゲノムサイズはおよそ96Mbと小さく、ショウジョウバエの半分程度の値であった。4.ネムリユスリカ以外の生物に乾燥耐性を付与するために4つのLEAタンパク質遺伝子とトレハロース輸送体遺伝子をそれぞれ導入したキイロショウジョウバエを作出したところ、LEA3を除いたすべての系統で導入した遺伝子の誘導が確認できた。5.クリプトビオシス誘導時及び蘇生時の酸化ストレスによるダメージがどの時期に、そしてどの組織に生じているのかを査定するため、脂質(HNE)及びDNA塩基(8OHdG)の過酸化を示すマーカータンパク質の抗体を用いた免疫組織学的手法をネムリユスリカ幼虫の系で確立した。乾燥幼虫の水戻し直後の30分と1時間に顕著に脂質及びDNA塩基での酸化が観察されたが、その後すみやかに修復された。
カテゴリ 乾燥 くり 輸送

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