ニーズに対応した道産小麦の開発促進

課題名 ニーズに対応した道産小麦の開発促進
研究機関名 北海道立北見農業試験場
研究分担 麦類科
研究期間 継H19~21
年度 2008
摘要 a ニーズに対応した高品質小麦開発の促進、 (a) 中華めん用等硬質秋まき小麦の開発促進、 (1)初期世代における品質選抜による硬質小麦の開発促進、 目的:道産小麦の用途拡大のため、中華めん用等秋まき硬質小麦の品種開発を促進する。、 成果:硬質高蛋白母材として「北系1835」「北海261号」「Karl92」や、昨年交配したF1を片親とし、優良系統との交配を53組合せ行った。、 穂発芽耐性、耐病性、前年産の品質分析結果などから初期世代の系統選抜を実施した。系選2年目材料では「ホクシン」並以上の耐雪性、穂発芽耐性を持つ硬質高蛋白系統が選抜された。かん水ペースト粉色およびペースト色変化量についてF3-F4世代間の相関を検討した。加水直後についてはa*、変化量についてはL*の世代間の相関が高かった。、、 (2)中後期世代における品質検定、 目的:道産小麦の用途拡大のため、中華めん用等秋まき硬質小麦の品種開発を促進する。、 成果:中後期世代の選抜系統について、平成20年産生検生産物の品質検定(ビューラー製粉60%粉)を実施した。供試材料については、ほぼ硬質系統が選抜されており、原粒蛋白については「ホクシン」より1~2%程度高く「キタノカオリ」並の材料が認められた。北系1835」「18147」が最も高く生地物性が強いと考えられた。 中華めん官能試験では「北系1835」が「キタノカオリ」並の中華めん適性を示した。、、 (b) パン用小麦の高品質化、 目的:初期世代及び中期世代の品質検定を行い、パン用高品質小麦を育成する。、 成果:系統選抜された初期世代および比較品種系統について品質検定を行い、296系統を選抜した。中期世代では「19S38」、「20S4」、「20S68」、「20S71」、「20S72」等の製パン性に優れる系統があった。これらの系統は製パン時の生地のベタつきが少なく作業性が良好であり、ファリノグラムの吸水率、生地形成時間、バロリメーターバリュウも「1CW」に近づいていることから、生地物性が改善されているものと考えられた。 、、 (c) 製めん適性に優れる日本めん用小麦の開発促進、目的:初期・中期世代の品質検定による選抜を強化し、良粉色・高製粉性で製めん適性に優れ、安定多収かつ病害・障害耐性に優れた道産小麦の開発促進を行う。、成果:  F3世代の「きたほなみ」の交配後代の組合せ(A群)は製粉歩留、粉色L*値(粉の明度)ともに高い傾向を示した。「きたほなみ」の粉色a*値を選抜指標として、F3、F4で選抜を行った結果、「北系1864(北見81号/ 13183)」」を含む育成系統は「きたほなみ」並に粉色が優れた。、「北系1844」「北系1847」の製粉性は「きたほなみ」にやや劣るが「ホクシン」より優り、めん色は「きたほなみ」並で優れた製めん性を示した。本年度播種の小規模生予供試2年目以降の82群に対して、1系統群あたり4~30系統について、製めん性に関与するWx-B1遺伝子の有無を検定した。、、 b かび毒・難防除病害・障害耐性技術開発の促進、 (a) 雨害耐性の強化とかび毒低蓄積性品種の開発促進、 (1)穂選抜による穂発芽耐性強化、目的:初期世代から穂選抜・発芽試験を行うことで穂発芽耐性に優れる系統を選抜する。、 成果:春まき小麦では穂選抜は11組合せ実施し、穂選抜については、穂発芽性“難”と思われるものを選抜した。休眠性選抜は、比較系統を含め785点について発芽試験を行い、休眠性が「BW148(穂発芽性難)」並かそれ以上の系統を選抜した。小規模生予供試系統には全て「春よ恋」より穂発芽性が優れている事を確認した。秋まき小麦ではF3世代10組合せで圃場選抜した225系統を穂発芽検定に供試した結果、190系統が「きたもえ」並以下の穂発芽程度を示し、前年の穂選抜による効果が示された。本年供試したF2世代の選抜では、穂発芽性極難系統「北系1802」「北系1828」「17G602(後の北系1838)」などを交配親に用いた組合せ、穂発芽性“難”の硬質小麦系統の育成を目標とした組合せを含むF2世代10組合せ計11,689穂を収穫した。「きたもえ」の穂発芽程度を選抜基準とし、穂発芽程度が0を示した穂を中心に、10組合せ計2,679穂を選抜し、10組合せ計1,424穂を最終選抜とし、2008年9月に穂別系統として播種した。、、 (2)赤かび病抵抗性およびかび毒低蓄積性春まき小麦の選抜、 目的:赤かび病抵抗性およびかび毒低蓄積性に優れる小麦系統の開発を促進する。、 成果: ア 感染抵抗性の検定・選抜:開花期直前の降雨により試験区全体に倒伏が発生し、発病指数が例年より高くなった。開花期ごとの指標品種の発病指数を参考に抵抗性を評価した。初期世代では赤かび病の発病指数と農業特性で239系統中45系統を選抜した。初期世代から赤かび病抵抗性で選抜した訓交春2129を小規模生予(20S64~20S75)に供試した結果、赤かび病抵抗性は“強”~“やや強”を示し、選抜の効果が認められた。、 イ 進展抵抗性の検定:「春よ恋」を“やや弱”、「ハルユタカ」を“弱”の指標とし、ほぼ病徴の進展が見られなかった系統は“強”と評価した。供試系統は2系統を“強”、10系統を“やや強”、37系統を“中”、36系統を“やや弱”、11系統を“弱”と判定した。感染抵抗性との間に明かな関連性は認められなかった。、 ウ かび毒蓄積性の検定:「北系春807」、「20S72」、「20S75」は赤かび病抵抗性に優れ、かび粒率が低く、DON濃度が低かった。、 (3)赤かび病抵抗性およびかび毒低蓄積性秋まき小麦の選抜、 目的:赤かび病抵抗性およびかび毒低蓄積性に優れる秋まき小麦系統の開発を促進する。、 成果: ア 感染抵抗性の検定、 供試系統の抵抗性は開花時期ごとの指標品種の発病指数を参考にして評価し、選抜に利用した。生産力予備試験供試初年目系統と2年目以降系統の抵抗性の頻度を比較すると、生予2年目以降系統においては抵抗性に優れる材料の頻度が高く、選抜の効果が認められた。、 イ 進展抵抗性の検定、 奨決・系適継続系統の中では「北系1847」の進展抵抗性が優れていた。「蘇麦3号」「16036」「13090」は菌を注入した小花以外の発病はほとんど無く、進展抵抗性にかなり優れているとみられた。、 ウ かび毒蓄積性の検定、 接種時期ごとの比較品種と比べて、奨決・系適継続系統の中では「北系1835(北見85号)」のDON濃度が低かった。「17082」は前年と同様にDON濃度がかなり低く、抵抗性母材として有望であった。、 (b) 各種雪腐病抵抗性品種の開発促進、 (1) 雪腐小粒菌核病抵抗性系統の選抜と検定強化、目的:雪腐病抵抗性“強”系統の育成を目的とし、雪腐黒色小粒菌核病菌接種による集団淘汰を行い穂選抜を実施する。、成果:根雪始は平年より15日遅く、積雪期間は平年より41日短い94日であった。雪腐黒色小粒菌核病菌の接種効果が得られにくい気象条件となり、試験区には大粒菌核病が優占して発生した。供試中7組合せから合計6995穂を収穫し、穂発芽検定による穂選抜を実施した。5組合せは穂別系統とした。2組合せについては穂まき系統とし、引き続き黒色小粒菌核病菌接種選抜を実施する。また供試中10組合せについては、次年度も継続して集団淘汰に供試する。、
カテゴリ 小麦 抵抗性 抵抗性品種 播種 品種 品種開発 防除

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