課題名 |
品種・母本の遺伝子データベース構築による果樹育種の効率化 |
研究機関名 |
福島県農業総合センター
|
研究分担 |
果樹研究所
|
研究期間 |
継H18~H22 |
年度 |
2008 |
摘要 |
目的:遺伝形質の品種ごとのグラフィカルデーターベースを構築し、育種目標実現確率の高い交雑組合せ選定の効率化を図る。、成果:(1)モモ栽培形質や果実形質と関連したDNAマーカーの探索:(1)早生種育成を目的とした交雑組合せ実生群の果実特性を検討した。「はつおとめ」「ふくおとめ」は種子親に係わらず極早生個体の発現頻度が高かった。「あかつき」「あきぞら」「ふくおとめ」は高糖度の個体の発現頻度が高かった。「白秋」は大果の個体の発現頻度が高かった。(2)「もちづき」タイプの形質(半不溶質、アントシアン不発現)の遺伝様式を解析した。「白秋」は、半不溶質の肉質とアントシアン色素不発現の「もちづき」タイプの形質(劣性)をヘテロで有することが明らかとなった。、(2)葯培養とウイルスベクター技術を用いたリンゴ新育種システム構築:(1)完全ホモ個体「95P6」は本年度も花粉稔性が確認でき、交配試験の結果、本年度獲得・育成中の後代数は「Prima」×「95P6」が8個体、「Golden Delicious」×「95P6」が35個体となった。「95P6」は平均2.3個の種子を有し、播種後の生存率は91.7%であった。(2)「Prima」×「95P6」の後代および「95P6」のオープン実生は、「95P6」のオープン1系統を除きすべて2倍体であった。しかし、「95P5」のオープン1系統のうち実生3個体は倍数性が異なっていた。葯培養由来で開花している系統は、「92P3」を除き生育が旺盛な系統であった。、(3)DNAマーカーを利用した品種判定および親子判定法の開発:(1)「あづましずく」と「不明」品種の果実のサンプルを用いて品種判別を試みた。その結果、「不明」品種は「ピオーネ」と判定された。なお、メーカーの異なる酵素(Taq Polymerase (AmpliTaq(ABI)とNovaTaq(SHIMADZU)))による解析時の影響を確認したところ、波形データに違いは見られず、どちらのTaqも使用できると推察された。、(4)ナシ黒星病抵抗性品種を判別するDNAマーカーの探索:(1)No.29(「幸水」×「紅梨」)とNo.54(「秋麗」×「29-8」)の交雑実生96個体を用いて、黒星病接種試験を行い、黒星病抵抗性を有する個体を59個体選抜することができた。茨城県生物工学研究所との共同研究では、「巾着」と「ラ・フランス」の領域に抵抗性遺伝子が集積した31個体が育成中である。
|
カテゴリ |
育種
黒星病
データベース
DNAマーカー
抵抗性
抵抗性遺伝子
抵抗性品種
播種
品種
ぶどう
もも
りんご
|