課題名 |
浜通りにおける野菜・花き類の安定生産技術の確立、(2)浜通りにおける園芸作物の安定生産技術の確立 |
研究機関名 |
福島県農業総合センター
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研究分担 |
浜地域研究所
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研究期間 |
継H18~H22 |
年度 |
2008 |
摘要 |
目的:浜通り独自の園芸作物の生産技術、生産体系の確立のための技術開発が求められることとなる。また、県オリジナル品種についても同地域での栽培法を確立することは、県オリジナル品種の振興に直接結びつくものであり、同時に、同地域の園芸振興の一役を担える。、成果:(2)浜通りにおける園芸作物の安定生産技術の確立、ア.土地利用型露地野菜の安定生産技術、(1)ブロッコリーセル苗への塩水潅水の効果は、これまでの研究成果から、初期生育が揃い収穫の斉一性が高まることがわかっている。そこで、乾燥した土壌(土壌水分1.2%)に塩水潅水苗を定植し、極少量の潅水(20mL/株)をして耐干性を確認したが、塩水潅水苗と慣行苗では断水後の生存率はそれぞれ2日後「100%、25%」、3日後「67%、0%」と塩水潅水苗の生存率が高いことが明らかになった。これら成果から、夏期高温乾燥時のセル苗定植では活着が問題となるが、塩水潅水苗を利用し機械定植+少量潅水により苗の活着や生育が向上すると考えられた。ブロッコリーと同様に秋冬キャベツのセル苗に塩水潅水による苗の耐干性、初期生育や収穫の斉一性を検討した。セル苗育苗中に定植1週間前から0.3%の食塩水を潅水すると、苗の耐干性が高まり、高温乾燥下で定植しても初期生育が揃い収穫の斉一性が高まることを確認した。なお、キャベツの晩生品種においては、塩水潅水の効果が現れにくいことがある。(2)キャベツの春まき初夏どり栽培は、黒腐病や軟腐病、縁腐症などが発生しやすいため適品種を検討した。YR天空およびエコーは、球の肥大が良く、病害や生理障害、裂球の発生が少ないため、カットなどの業務用に適していると考えられた。なお、極端な遅穫りでは、YR天空は裂球や病害発生、エコーは生理障害が発生するので注意する。、イ.施設野菜・花きの安定生産技術、(1)パイプハウスの保温性比較では、空気膜二重構造ハウス(屋根面二重及び内張りの天井・側面二重にして通風)と慣行ハウス(外張り一重、内張り一重)を用い、1~2月の厳寒期における無加温条件下でのハウス内気温や地温の違いを比較検討した。空気膜二重構造ハウスは、慣行ハウスに比べ最低気温が最大で1.9℃、平均で1.3℃高く、外気温より最大で8.7℃、平均で6.2℃高かった。また、最高地温は、慣行ハウスよりも最大で2.6℃、最大で1.4℃高かった。(2)スプレーストックの無加温栽培において、春先出荷に適した品種及び播種時期を検討した。スタンダード(ホワイトアイアン)及びスプレータイプ(ホワイトカルテット、シャンテホワイト、ホワイトファミリー)の品種を25日前後育苗し、無加温パイプハウス(外ビニール+内カーテン)に定植したが、2月下旬~3月下旬に出荷するには9月中旬~10月下旬に播種する必要がある。切り花は、いずれの品種においてもほぼ100%2Lサイズを確保できた。
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カテゴリ |
育苗
乾燥
キャベツ
栽培技術
出荷調整
ストック
生理障害
播種
品種
ブロッコリー
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