主要果樹(モモ、ナシ、オウトウ)の高生産性省力型樹形の開発

課題名 主要果樹(モモ、ナシ、オウトウ)の高生産性省力型樹形の開発
研究機関名 福島県農業総合センター
研究分担 果樹研究所
研究期間 継H18~H22
年度 2008
摘要 目的:省力的かつ高品質果実生産を可能とする樹形および作業別省力技術を検討し、総合的省力型高品質果実生産技術体系を確立する。、成果:(1)モモ樹における省力で高生産性を維持する栽培技術の確立:(1)低樹高開張形は開心自然形に比較して樹高が低く維持され、大きい果実が生産された。また、着果管理に要する作業時間が少ないことから、作業効率が高い樹形であると考えられた。なお、二本主枝形やY字棚二本主枝形、低樹高自然形は収量が多く、Y字棚二本主枝形はせん定量が多い等の特徴が認められた。(2)モモの健全樹育成を目的に、台木の検討を行った。「ネマガード」「払子」「佐藤系桃台」「筑波9号」「長野野生モモ」「おはつモモ」の比較では、樹体の生育に差が見られなかった。「R-53-2」「R-64-1」「岐阜国府紅しだれ」「筑波4号」の比較では、幹周や樹幅に差が見られ、「R-53-2」と「筑波4号」に比べて、「R-64-1」は小さかった。(3)若木の生育は、冬季の強せん定区で劣り、特に夏季せん定を実施しないと冬季のせん定量が多くなり、樹体の生育が劣った。これらの樹では、せん定による切り口が多く、その後の生育の中で枯死や主幹部障害の発生が多くなった。(4)発芽5~15日後に結果枝をうちわで殴打した区で同様な障害が確認されたことから、果面障害の発生は水圧摘らい処理による物理的振動が影響しているものと考えられた。(5)モモ収穫前の白色フィルム敷設は、アルミ蒸着に比較して果実が大きく商品果率は高いが、着色や糖度はやや劣る傾向が見られた。また、白色フィルムは、高温条件でも果実温の上昇が少なく、相対照度は低いが紫外線の反射率は高いことが認められた。(6)雨ヤケ防止用スカート袋被袋によって、「ゆうぞら」では雨ヤケ防止効果が認められたものの、二重袋のような果皮の荒れを防止する効果は認められなかった。一方、「川中島白桃」では、雨ヤケ防止効果と果皮荒れの防止効果が認められた。また、両品種ともに、無袋より着色がやや優れる傾向が認められたが糖度には差がなかった。、(2)ナシの高生産省力型樹形の開発:ニホンナシ「幸水」において、波状棚を利用したY字形およびH字形樹形による栽培特性及び作業性等について検討した。Y字形は樹冠拡大が早く、初期収量が多い。H字形は樹冠の拡大とともに収量が増加し、Y字形との収量には差が無くなった。予備枝本数は主枝の拡大に伴いH字形で増加した。1樹あたりの作業時間は、H字形が長かった。1000果当たりの作業時間では対照の平棚が短く、波状棚を利用した両樹形は長かった。模擬果実の収穫作業において、平棚は波状棚利用樹形と比較して心拍数の増加が少なく、筋電位への影響も小さいことから作業負担が少ないと考えられた。Y字形は、初期収量を確保するために樹冠拡大する頃(8~9年生頃)までは密植で栽培し、その後は果実品質等の向上を図るために間伐する計画的密植栽培が適していると考えられた。、(3)オウトウの高生産省力型樹形の開発:(1)オウトウ「佐藤錦」の平棚栽培は、慣行栽培と比較して果実は大きく、果実品質は向上するが、収量はやや少なく、裂果の発生が多かった。この裂果発生は、収量が少ないほど、大玉果実の割合が多い樹ほど多いことから、1果叢当たりの着果数について再検討が必要と考えられた。(2)樹形改造による平棚栽培は、改造時の2~3年は収量が減少するが、その後は慣行栽培以上の収量に回復することが確認された。また、生産される果実は年次間差はあるものの、果実は大きく、着色の向上など品質向上が認められた。(3)「佐藤錦」の平棚栽培における側枝は、7年枝以上になると果叢の間隔が広くなり、果実の生産性が劣る傾向があることから、6年枝までを主体に側枝を構成し、7年枝以上は随時更新が必要と考えられた。また、平棚栽培における1果叢当たりの着果基準を3~6個で比較したが、明確な差は認められなかった。
カテゴリ おうとう 栽培技術 台木 低樹高 品種 もも

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