課題名 |
地球温暖化による農業気象資源の変動が主要作物に及ぼす影響の予測 |
研究機関名 |
北海道立十勝農業試験場
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研究分担 |
栽培環境科栽培システム科・畑作園芸科・大豆科・小豆菜豆科
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研究期間 |
新H21~22 |
年度 |
2009 |
摘要 |
目的:地球温暖化が本道の基幹作物である水稲,畑作物および飼料作物の生育や収量,品質,栽培適地などの変化に及ぼす影響を予測し、今後の対応策確立に向けた資とする。計画:対象作物は秋まき小麦、てんさい、ばれいしょ、大豆、小豆。検討方法は、農試がこれまで蓄積した各種調査試験による実測データや農林水産統計データを用いて,上記検討項目と気象要因との関係を統計的手法で解析し、その結果を2030年の温暖化気候予測シナリオにあてはめて影響を予測する。成果:ア) 秋まき小麦については、越冬前後の温暖化による過繁茂に伴う倒伏・減収を定量化は不可能であった。7月の気温が収量に与える影響は、地域によって負の相関の有無が分かれ、異なる気象条件下のポテンシャル収量の予測を作物生育予測ソフトを用いてシミュレーションすることが必要と思われた。イ) てんさい:根重は4月下旬~6月下旬の積算最低気温と正の相関が、根中糖分とは7月上旬~10月上旬の積算最低気温と負の相関が認められた。品種の変遷による影響が大きいことから、特に根重では品種の影響を排除して解析する必要があると考えられた。ウ) ばれいしょ:過去20カ年の作況調査の傾向を解析した。「コナフブキ」の上いも重は9月の平均気温との相関が最も高く、でん粉価は7~9月の平均気温との相関が最も高い傾向が認められた。エ) 大豆:「トヨムスメ」の子実重は、開花期(7月)と成熟期(9月)の各々の平均気温との相関が高かった。2030年にはこの期間の積算気温が300℃程度上昇すると予想され、網走等の限界地帯に道南向けの晩生品種が作付け可能となり、大幅な地帯区分の変化が予測された。オ) 小豆:過去24年間の石狩・空知、上川、十勝支庁における平均収量と岩見沢市、旭川市、芽室町の6~9月の平均気温の相関関係は負の2次式となった。2030年における6~9月の推測気温が21℃を超える石狩・空知、上川では減収すると思われた。
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カテゴリ |
小麦
飼料作物
水稲
生育予測
大豆
てんさい
ばれいしょ
品種
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