課題名 |
a 森林生物の生命現象の解明 |
課題番号 |
2010015031 |
研究機関名 |
森林総合研究所
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研究分担 |
(独)森林総合研究所,研究コーディネータ
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研究期間 |
2006-2010 |
年度 |
2010 |
摘要 |
<研究内容>森林生物のゲノム情報の充実を図るため、樹木の心材形成機構解明に必要なスギの心材形成に関わる遺伝子の機能を解明する。また、スギの雄性不稔候補遺伝子の機能の解明、遺伝子組換え樹木の実用化に必須なポプラの不稔化誘導技術の開発、ジベレリン合成酵素遺伝子を導入した組換えポプラの特性解明等、樹木の成長制御機構の解明を通して、遺伝子の機能解明を進める。さらに、森林植物の遺伝的多様性維持機構を解明するため、ミズナラ等の集団の遺伝的分化及び遺伝構造を明らかにし、遺伝子の多様性維持機構の解明を通して、樹木の生命現象の解明に資する。きのこ類の生理生態学的特性の解明のため、シイタケゲノムのアノテーションやマツタケ類の分子進化の解明を進め、きのこの子実体形成機構の解明等を通して、生物機能を活用した新技術の創出に資する。バイオプラスチック生産を目指し、白色腐朽菌が高分子リグニンを代謝する時に発現する遺伝子の濃縮とクローニングを行う。また、Dieldrin分解菌群、Heptachlor分解菌群からの微生物の単離及び種の同定により、芳香族塩素化合物等の環境汚染物質分解菌の検索を進め、有用微生物の特性解明に資する。<成果の概要と活用>スギの心材形成に関わる遺伝子や雄性不稔候補遺伝子の機能の解明、ポプラの不稔化誘導技術の開発、ジベレリン合成酵素を導入した組換えポプラの生育特性の解明による樹木の成長制御技術の開発、ミズナラ集団の遺伝構造の解明等、年度計画を予想以上に進めることができた。その他にも、当初予定していなかったサクラ栽培品種のDNA識別法の開発と関連した特許出願を達成し、学術界からも高い評価を受けている。また、シイタケのゲノムデータベースの充実を図り、子実体形成期に発現している341種の遺伝子等を新たに特定した。また、グリーンプラスチック生産に結びつく白色腐朽菌のバニリン酸分解に関与する酵素遺伝子として、Phanerochaete chrysosporium Sp-K3菌株のヒドロキシアントラニル酸3,4ジオキシゲナーゼに相同な酵素遺伝子の単離や難分解性有機塩素農薬を分解し環境浄化に役立つHeptachlor分解菌群、DDT分解菌の収集等、新規性の高い成果を得ることができた。これらの成果は、遅滞なく学術雑誌や学会等で発表するとともに、プレスリリースや所の広報誌「季刊森林総研」等で分かりやすく解説し、研究成果の普及に努めた。
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カテゴリ |
病害虫
さくら
しいたけ
データベース
農薬
品種
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