課題名 |
(6)熱帯・亜熱帯の作物遺伝資源の有効利用 |
課題番号 |
2010015007 |
研究機関名 |
国際農林水産業研究センター
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研究分担 |
(独)国際農林水産業研究センター,熱帯・島嶼研究拠点
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協力分担関係 |
コンケン畑作物研究センター
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研究期間 |
2006-2010 |
年度 |
2010 |
摘要 |
・ サトウキビ経済品種とサトウキビ野生種Saccharum spontaneumとの種間雑種後代より選抜した品種候補系統BC03-4-452、BC04-4-713、04-4-768について、23年度での品種登録申請に必要な成績を整備した。・ 種間交雑により作出した実生集団は、株当たり茎重やブリックス(可溶性固形分)の変異が大きく、 両親より優れた特性を有する個体が出現することを明らかにした。・ タイ国のコンケン畑作物研究センターに保存中のエリアンサス遺伝資源150系統の形態形質、染色体数などの特性評価を進め、2種を含む4類型に分類した。また、多回株出しでの乾物生産力や出穂特性を評価してサトウキビとの交配材料を選定した。・ 5SリボソームDNAのバンドパターンの多型をマーカーにして、属間雑種をあらたに24個体選抜した。雑種系統には仮茎長や茎径、ブリックスについて大きな変異が存在することを明らかにした。・ 西アフリカのヤム遺伝資源の主流であるD. rotundataおよびD. alataの生長点培養における基本培地組成および植物ホルモンの種類と濃度を再検討し、茎葉再生率が有意に高い条件を選んだ。このプロトコールは、他の種への汎用性を確認した上で、IITAジーンバンクの経常作業に利用され、ジーンバンク活動の効率化に貢献する。・ 西アフリカにおいてヤムは経済的・文化的に重要な作物である。しかし、現在に至るまで系統的な遺伝解析や育種は実施されていない。ヤム遺伝資源利用の高度化に向け、(1)次世代シーケンサーによるギニアヤムの全ゲノム配列解読および(2)SSRマーカーの開発・増殖・多型の分析を開始した。ヤムの全ゲノム配列解読は順調に進捗しており、23年度中に完了予定である。これは世界に先駆けた成果になると同時に、次期プロジェクト研究の基盤となるゲノム情報を得ることができる。・ ヤムは、西アフリカにおける主食として重要であり、品質に対する消費者の嗜好性もはっきりしているが、品質に係る形質の多様性や利用加工適性は十分に把握されていない。D. rotundata、D. alataの澱粉の形状等はバレイショ澱粉に似ているが、粘性挙動は他の植物の澱粉とは異なり、品種間でもパターンに変異がみられた。D.dumetrumは他のヤムの種と大きく異なり、イモでありながらコメ澱粉に似た特性を持ち、新用途開発に大きな期待が持たれる。
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カテゴリ |
亜熱帯
育種
遺伝資源
加工適性
さとうきび
ばれいしょ
品種
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